NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 354号 「第三者」の「専門的管理者」とは誰か、何処に居るのか?

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

354号 「第三者」の「専門的管理者」とは誰か、何処に居るのか?

本年一月、国交省はいよいよ第三者管理方式の導入を本格化した。まず、その歴史的経緯を見ておきたい。その発端は、平成十七年に(社)高層住宅管理業協会が打ち出した「新管理者管理方式」ということにある。これを受けた国交省が(財)マンション管理センターを通じて纏めさせた平成二〇年の報告書が、これを「第三者管理方式」として打ち出し国交省の正式な方針となった。その後、国交省は補助金事業でマンション管理士等に第三者管理のモデル事業を実施させたりして準備をしてきた。さらに、昨年の標準管理規約の改正案をめぐるパブリックコメントで、規約改正検討作業が尻切れトンボに終わったという経緯もあった。こうして、今日の検討会の設置となっているわけである。

さて、その内容であるが、一言で言えばこれまでの管理方式である、組合員のなかから理事を選出し、その理事長が管理者となって管理するという「理事会・理事長」管理方式を見直し、専門的管理者である「第三者」を管理者に選任し、その者に管理を委任しようとするものである。が、ここで最大の問題となるのは専門的管理者としての「第三者管理者」なるものは誰か、何処にいるのかということである。先の「マン管センター」の報告では管理会社やマンション管理士等と想定されているが、これは適切であろうか?何よりも管理会社は「第三者」とは言えない。また、管理会社は管理業務の専門家ではあっても、専門的「管理者」とは言えないであろう。管理業協会は平成十七年には、理事会を廃止した「新管理者管理方式」を打ち出していたが、最近の協会幹部の発言を見ると「第三者管理方式」にはやや慎重な姿勢のようにも見える(もちろん、積極的な管理会社もあるが)。

ではマンション管理士はどうか。確かに「第三者」ではある。が、これもその資格制度の設立の経緯、「適正化法」での位置づけ(管理組合等への助言、アドバイザー)、試験方法(ペイパー試験だけで実務経験を問わない)からして、到底、「専門的管理者」の資格を有しているとはいえないであろう。つまり、わが国では昭和三七年の「区分所有法」制定時以来、「管理者」の規定は存在したが、その「管理者」の資格要件もなく、その専門家の育成もされてきていないのである。そのなかで、区分所有者自身の創意と工夫で今日の「理事会・理事長」管理方式を生み出し、それが標準的な管理方式となって定着してきたのである。こうした歴史的経緯を全く無視して、いまさら「第三者の専門的管理者による管理」と言っても、それは無い物ねだりでしかない。「第三者の専門的管理者」は誰で、どこに居るのか。まずは、それを明らかにして欲しいものである。


関連記事