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355号 第三者管理は、「例外的」と意見書

国交省がことし1月設置した「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(座長・福井秀夫・政策研究大学院大学教授)は、専門家が管理組合役員に就任することを容認するなど第三者管理方式を導入し、マンション管理規約の改正等が予定されているといわれているが3月15日、全国マンション管理組合連合会(全管連、穐山精吾会長)と社団法人全国高層住宅管理業協会(高管協、黒住昌昭理事長)が連名で、国交相に対して意見書を提出した。

意見書の内容は、高管協がまとめたとされるが、主に2点を強調している。管理規約等の改正にあたっては、専門家の役員等への活用は例外的措置とし、分譲マンションの管理は、区分所有者自らが自主的民主的に意思決定を行う現状の理事会方式が基本で、専門家の役員等への活用はごく例外的である、と主張している。

2点目には、専門家の役員等への活用を管理規約に規定するには、専門家の要件を厳しく限定・明確化すべきで、管理組合財産の保全措置と実務能力を担保する制度が必要としている。専門家を役員等に活用する場合は、管理費・修繕積立金など管理組合財産に係わることが想定され、専門家による横領や背任、不慮の事故等管理組合財産の毀損が懸念されるとして、専門家の財産的基盤の確保、組合財産の分別管理、不慮の事故に備えた保証制度等、組合財産の保全措置を講ずる規定が必要であると指摘している。

意見書に指摘された内容は、第三者管理方式を導入する場合の懸念を示したものといえる。全管連内部には、平成18年に第三者管理方式を率先して提唱したことのある高管協と共同歩調を取ることにためらいもあったとされるが、今回は高管協の懸念と全管連のそれがほぼ同一であることから、連名での意見書提出となった。

全管連は、検討会の審議について、「一部委員は、第三者管理とマンション建替えを同時に進めようとし、ビジネスとしてマンションを扱える体制に転換し、ビジネスモデルとしてマンション管理を劇的に変えようとしている」と指摘している。

また、高管協の黒住理事長は,資格の別を問わず個人事業者がなり手として想定されていることを危惧、「横領等の犯罪行為によって、組合財産が毀損される恐れは本当にある。その場合、個人では補てんしようがない」と話している。(3月15日付け、朝日新聞デジタル版)

全管連によれば、標準管理規約などマンション管理についての委員会、検討会には全管理会長等が委員に名前を連ねるのが通例だが、今回は全く声がかからず、高管協もオブザーバーとしての参加にとどまっていた。異例の検討会運営だが、これまで3回の検討会の審議内容も一切公開されていない。(3月23日現在)

3月16日の第三回検討会のあと、パブリックコメントを求めるとされているが、審議内容が国交省のホームページ等で公開されておらず、「意見の出しようがない。はじめに結論ありきなのか」と全管連は、今回の国交省の対応を批判している。

(論説委員会)2012・4月号


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