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報告 第7回 訪問相談・派遣専門家スタッフ会議

2012年7月17日 午後6時~8時25分、NPO日住協4階会議室

14名が参加、いつも通り活発な議論がおこなわれた。
この一カ月の派遣相談の進行状況では、すでに決定している2件について、1件は顧問活動が開始されていること、監査の補助の1件については、11月の本番実施をひかえて担当者などで準備勉強会をおこなうことが、それぞれ報告された。

8月はスタッフ会議を開催しないこととし、次回9月18日の会議は、今回のひきつづきとして「管理会社との適切な対応とは」をテーマとすることにし、報告者を決定した。
その後、以下のような内容で「管理委託契約のチェックポイント」に関して、報告と意見の交換がおこなわれた。

◆事例研究・管理委託契約のチェックポイント

最初にI氏から「管理委託契約のチェックポイント」にかんする基本的な考え方についての詳細な報告、次にM氏から具体事例についての補足報告があり、討論した。
まず国交省のマンション標準管理委託契約書について、その「位置付け」および「制定までの経緯」について説明があった。

そのあとにおこなわれた「標準管理委託契約書」に関する各記載事項の説明は省略する。ここで重要だと報告者から強調されたのは、課題である「チェック」の具体的やり方であって、これを中心に報告と討論の内容を記す。

まず基本として強調されたのは、「鵜呑みの契約書は悪徳業者の盾に!!」ということである。「契約書」は隅々までよく慎重に検討しなければならない。そうしなければ、落とし穴にはまる恐れが大きい。

討論で出された点だが、管理委託料の低減を売り物に大きな広告を打っている管理会社は、当初の契約はたしかに低価格だが、管理組合が業務を求めると「それは別契約」「それも別契約」といって結局どんどん委託費用がかさむという仕組みになっているという指摘があった。

具体的なチェックポイントとしては、

(1)念のためだがマンション管理業者登録簿への登録の有無(当たり前だが)。

(2)標準管理契約書との対比で抜けている項目、記述の相違などのチェック(自分のマンションにない設備が堂々と記載されている例は多い)。

(3)委託した内容の業務が実際にできているかどうかの具体的チェック方法(「報告の頻度、項目、報告書の様式」から「検査の確認方法=清掃のチェック表や勤務日誌の記載」まできちんとしておかないと、実際に仕事がされているかどうかチェックできないし、指摘しても言い逃れされる)。契約書そのものには詳しく書ききれないものもあるが、その場合は、議事録の形ででも文書にしておく必要がある。

(4)支払い基準、検収方法の確認(定額払い、実績払いの区別(実績払いの方がよい!)

(5)実績の確認方法、手続きから領収書の様式、消費税のあつかいまで精密にする、現金・商品・備品の扱いの確認(それぞれ扱いの具体的方法、限度額、収納口座については保証契約、現金の扱い(窓口扱いのさいの方法)、商品&備品のあつかい(現品の不足発生は多発)

(6)本契約外の規約との関連(精査すると、本契約との二重契約なかには三重契約まである)、の6項目について、実例をふくめて現場で役に立つ詳細な報告がおこなわれた。

次に、M氏からある管理組合が大手管理会社を相手に、長年かけて委託管理費の削減と業務の改善に苦闘してきた経験をもとに、I氏の報告を実例で裏付ける補足報告をおこなった。この実例では、明細書の明示や管理の改善、委託費の値下げなど区分所有者の当然の正当な要求に対しても、管理会社が一部の区分所有者を組織するなど、種々の手段をもって抵抗するものであり、それに粘り強く適切に対応していかなければ、区分所有者の利益はまもれないことが発言された。

報告&補足報告が充実したものであったため、質疑的な内容はあまりなく、報告の内容から発展ないし敷衍された問題で、いろいろの討議がおこなわれた。

議論になったのは、標準管理委託契約書の「別表4」(建物・設備管理業務)の点検は意味がないのではないか、という点である。つまり、あの別表は「ひび割れ、はがれ、浮き」などの有無がいろいろな個所に書いてあるが、目視では意味ない。そもそも、そんなことが目視で分かるころには相当進行してしまっているわけで、それより前に居住者から当然指摘があるはずで、管理員が何カ月かに1回目視するのは不要だというわけである。

理事会議事録(案)の作成という項目があるのに1年間作成がなく、指摘したら謝ったが、その分の委託費は返せないという実例も報告された。これも費用の項目別がないのが問題点。委託費用明細については「標準」に3タイプあるが、「管理報酬」を各費目に入れず別枠にする「例1」がいいということが指摘された。

エレベーターの費用が高いという点が議論になり、フルメンテナンスでなく当初(15年間?)はPOG方式がよいが、当初はほとんどフルメンテナンスで管理組合がその点に気づくのが遅すぎるので、対応はむずかしい。討論の途中で大石理事から標準管理委託契約書の問題点、矛盾点や実態との関連、疑問点などについての報告があった。


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