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管理組合の主張、認められず

管理組合の主張、認められず
脱法シェアハウスで

マンションの一住戸のなかを区分し、八つのシェアハウスを設置したとして、管理組合から現状復帰の仮処分を求められていた東京都港区のマンションの裁判は、管理組合の仮処分が認められなかった。 管理組合側が即時抗告をおこなわなかったため、この件は法的には一応決着した。

裁判所の判断は、発覚後の規約改正は、当事者の承認を要する、リフォーム費用を投下したうえで、さらに現状復帰させるには持ち主の負担があまりも過大で、かつ他の住民に対する迷惑もそれほど考えられないなどである。建築基準法などに抵触するおそれが強く、理事長の承認もなく行われたことなど、違法性が強いと思われるが、それらを裁判所は共同の利益に反するとまでは認めなかった。しかし、他の区分所有者の迷惑を軽視し、持ち主の言い分を重視したこの決定が妥当であるというには、いささか無理があるように思われる。

すでに 「脱法シェアハウス」は社会問題になっており、関連のマンションの区分所有者、住民にとっては、多大の被害を被っているところも多い。 この一例についての裁判所の決定はそれはそれとして、管理組合としては「自衛」のために何をしたらよいか、と悩んでいるところも多い。

規約で歯止めの自衛策を

一番有効なのは、「改造シェアハウス禁止」 を規約化することである。マンションの管理組合では、区分所有法に反しない限りは、きわめて広範な自治が可能である。裁判になった大方のマンション紛争の最大の判断基準は、 そのマンション管理組合の規約にどのように規定されているかということによる。

したがって、シェアハウスを目的とした改造を禁止したいと考える管理組合は、たとえば 「何人も、マンションの住戸を改装してさらに区分し、シェアハウスあるいは寄宿舎としてはならない」 という文章を規約のなかに盛り込めば、それ以後の改造は明確に拒否できることになる。

一定の範囲なら認めることもありうる場合は、「専有部分の改造は、必ず事前に理事会に申請して許可を受けなければならない」として、その範囲を細則等で決めておくべきである。重要なのは、管理組合としての統一した意思をきちんと規約化しておくことである。


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