NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > NPO日住協「設立45周年記念シンポジウム」の模様

NPO日住協「設立45周年記念シンポジウム」の模様

NPO日住協の設立45周年を迎えた10月24日、東京・日比谷コンベンションホールで、記念シンポジウムが開かれた。会員の管理組合、マンション管理士、関連団体、関連企業、自治体の職員など200名が参加した。

まず基調講演として鎌野邦樹・早稲田大学法科大学院教授が「これからのマンション管理と再生」のテーマで基調講演をした。引き続いて、「高経年マンションの新たな管理の方向を考える」をテーマに、シンポジウムが開かれた。

パネラーは、小林秀樹日本マンション学会会長、鎌野邦樹・マンション学会副会長、浜岡紀子・西小中台団地管理組合法人理事、小池博・豊ケ丘5-3住宅管理組合元理事長、大石和夫・日住協理事長。司会は川上湛永・日住協会長。

鎌野那樹教授左から小池 博、浜岡 紀子、大石 和夫左から川上 湛永、鎌野 那樹、小林 秀樹

写真は左から、「鎌野那樹(早稲田大学法科大学院教授)」「小池 博:多摩ニュータウン豊ヶ丘住宅管理組合 元理事長」「浜岡 紀子:西小中台団地管理組合法人 理事」「大石 和夫:NPO日住協 理事長」「川上 湛永:NPO日住協 会長/司会」「鎌野 那樹:早稲田大学法科大学院教授」「小林 秀樹:日本マンション学会 会長/千葉大学 教授」

高経年マンションの新たな管理の方向を考える

NPO日住協設立45周年記念シンポジウム

日 時
平成26年10月24日(金)午後1時30分~4時30分
会 場
日比谷図書館コンベンション
パネリスト
  • 小林 秀樹 日本マンション学会会長・千葉大学教授
  • 鎌野 邦樹 日本マンション学会副会長・早稲田大学法科大学院教授
  • 浜岡 紀子 西小中台団地管理組合法人・理事
  • 小池 博 豊ヶ丘5-3住宅管理組合・元理事長
  • 大石 和夫 NPO日住協理事長
司会
川上 湛永 NPO日住協会長

鎌野先生の基調講演に続いて、シンポジウムに入ります。時間が90分ということで、どこまで話が深まるか心配していますが、5人のパネラーの方に、自己紹介を兼ね、高経年マンションのことをどう考えているか、2、3分お話いただければと思います。まず、小林先生からお願いします。

小林私は大学で建築、街づくりを専門にしています。その分野は実際の現場に関わって、そこで、いろんなことを発見することが大事なのですね。そこで、表面からはわからない住民の方の要求はどこにあるか、あるいは問題点がどこにあるのかを見出しています。
この後、ご紹介される西小中台団地は随分以前から係わらせていただいて、いろんなこと
を発見しました。発見するだけでなく、西小中台の皆さんは、すごく元気なので、私は現場から元気をもらいました。平成2年から行ったのですが、学生からも元気をもらいました。

歳をとるほど、いけいけどんどんになってきまして、今必要なことがあったら、どんどんやるべきだ、必要なことがあったら、どんどんやるべきだと、そんな主張を展開しております。そうは言っても、マンションの中に反対される方がいらっしゃるのですが、その反対が合理的なのか、それとも行き過ぎなのか見極めるのが、鎌野先生のような法律家で、私たちは、やれやれで、鎌野先生はブレーキ役です。この二人が揃うと非常に強力で、何でも答えが出るということになると思います。

小林先生は千葉大学の教授でございますが、先生の研究室に伺うと、すごく学生さんが楽しそうですね。多分、先生のお人柄のせいではないかと思っています。

鎌野法律家というのは、小林先生がおっしゃるようにブレーキ役です。しかし、心情的には小林先生と同じように、とにかくやれば、それが法律になる。法律というものは、そういうものです。

真ん中にスクリーンがあるので、左右に机が泣き別れのようになってしまい、恐縮です。多摩ニュータウンの豊ヶ丘5-3住宅の元理事長、小池さん、続いてお願いします。

小池豊ヶ丘5-3という団地で、理事長をやっていました。
多摩ニュータウンのことが、新聞に出ますと、よぼよぼのおじいさんおばあさんがいて、建物が崩れかけているという報道がなされています。でも、現実は、多摩センターという駅を降りると、若い女性や子供たちが溢れているということで、ずいぶん印象が変わるのではないかと思います。計画都市なので、非常に住みやすいですね。住みやすいからずっといるものですから、私のところなどは、全員高齢化してしまう。そういう中でもって、これではいけないということで、取り組んだ活動をご紹介したいと思います。

小林先生が、3年前から、浜岡さんは、活動的で、いいよ、いいよと聞かされていたのですが、今日ちゃんとした形でお目にかかれて、私としては大変うれしいですね。浜岡さんは体調があまりよくないということで、もしもの場合のピンチヒッターとして、足羽智子さん、元理事で団地再生委員会の委員ですが、後ろに控えています。もし、浜岡さんの調子が悪くなったら、是非、マイクを取っていただきたいと思います。
浜岡 千葉市にあります西小中台団地の理事をしております。私は主婦であります。専門的な勉強をしたことはありませんし、専門の学校に行ったこともありません。ですけれでも、ちょっとしたきっかけで、こういうような活動に参加させていただいて、50代から、こういう勉強をさせていただいて、有り難いと思っております。

日住協の理事長の大石さん、次に。

大石大石でございます。本日は多数ご参加いただき有難うございました。私は千葉市の公団分譲団地に40年間、住んでおります。あしかけ6年ぐらい理事長をやって、本年4月から日住協理事長ということで、務めさせていただいております。今日のシンポジウムの趣旨は、先程、鎌野先生からご紹介いただいたように、日住協45周年を記念して、社会的にいろんな意味で問題となっている高経年マンションの今後の管理ということについて管理組合の視点からじっくり議論し、今後のきっかけを作りたいと設定いたしました。45周年記念誌の中にその趣旨を書いておりますので、よろしくお願いします。日住協は鎌野先生からもご説明いただきましたが、旧公団が分譲した団地の管理組合の団体として設立され、現在も多くの会員は団地です。そのほとんどが築30年以上です。そういう中で、私どもこそ高経年マンションの今後の管理ということについてやっぱり、先頭に立って取り組んでいかなければならないという意味で、シンポジウムを開きました。このシンポジウムで、問題を出して、今後の起点にしたいと思います。

それでは、最初の報告として、西小中台団地の試みを紹介させていただきます。築41年ですね。まさに高経年マンションですが、建替えにチャレンジしたり、具体的な取り組みを続けてきました。今は、団地再生ということで、子育てが楽しい団地というコンセプトで、多角的な活動を展開しております。

浜岡西小中台団地は990戸あります。約1840人が居住しております。平均年齢52.7才です。65歳以上が730人います。全体の約40%です。自主管理制を取っております。理事は立候補制です。建て替えから団地再生へと言う経緯を説明させていただきます。

1933年から建替えを検討してきましたが、多世代が共存するという、等積交換あるいは一括建替えをめざし、2002年に臨時総会で、推進決議を諮り、84%の承認を得て、建替え決議に向けて検討を行うことになりました。その後、2002年から2年間、建替え検討の一貫として、千葉大学遠藤研究室の各専門家とまちづくり研究会を発足、大規模団地の再生について勉強をしました。その中から建物と住民の暮らしを良くする団地再生と言う方向を進み始めました。その頃、経済情勢の悪化が進み、このままでは住民負担が増大することが考えられたため、2002年の総会により、等積交換による建替えの検討を終了し、団地再生という提案を行い、承認をいただき、9月に団地再生委員会、通称、団地を良くする会を設立しました。

建物と暮らしの両面から、団地を良くしていく西小中独自の再生として千葉大学小林教授にご指導いただきながら、建替え、改修、修繕と言う住民の希望に沿った再生として、棟別再生という コミュニティ活動の拠点整備の検討を行っています。棟別再生について、住民の意向調査では、各3分の2ずつという結果が出ています。

しかし、現実へ向けて進めていくには、棟別の意見調整や高齢者の不安解消など時間のかかる高い壁があります。そこで、まず、コミュニティ活動の拠点整備を検討し、2012年に共用施設である集会所を多世代交流型に建替えすることを提案しましたが、事業費に約2億5千万円という高額に対する反発となぜ集会所が必要なのかという疑問、総会開催のPR不足もありまして、住民の4分の3という賛成が得られませんでした。しかし委任状を含む出席者の大多数の賛成があり、継続審議が許されました。規約改正の提案も同時に行いましたが、集会所と同様の結果となりました。集会所建替えのための規約改正と誤解されたこともあったようです。多くの外部オーナーがいる中で、他団地に居住している方々などの票を集約して、区分所有者の中には、無関心な方、入院などで長期不在の方が多くなり、990戸という大世帯で、票数を集める困難さと4分の3という高い壁を実感させられました。自治会と協力しながら、今まで以上に住民のコミュニティを大切に育み、参加していただいた住民の方との対話の中から、団地再生の理解を深める活動をコツコツと積み重ね、現在は、子育てが楽しい団地のコンセプトに若い世代の入居促進に力を入れております。

団地再生の多彩な催し

管理組合主催で、月1回土曜市を開催しています。ここには、自治会の助け合いの会がありましてお年寄りなどの買物の荷物を一緒に運ぶお伝いを協力していただいております。自治会主催で年間行事がありまして、夏祭りは、大変にぎやかです。みこしの巡行の際の交通整理、夜店の出店などを管理組合として協力させていただいております。

また、コミュニティ活動の一環として、団地の中央にあります集会所の建替えについて、高齢者の方や多世代の方々と活動を行っています。

もう一つの活動拠点としてショッピング広場の再生を行っています。自治会主催の餅つきなどに参加している住民の方から、広場にもっと多くの人が集まる場所にという意見をいただきました。

活動への理解と仲間づくりということから、西小中台団地のすごろくを作って、どちらに進んでいくかによって、団地がどうなるかが一目でわかるようなものを作っています。
また、広報活動の一つとして近隣の不動産屋さんに置いてもらっている団地を紹介するパンフレットもつくりました。好評を頂いておりますので、近く第2弾を作成する予定です。団地再生委員会として活動の内容を分かりやすく伝えていくための再生新聞を年3回作りまして、全戸と外部オーナーに配布しております。

コミュニティ活動を続けて行くために次の世代にいかにバトンをつないでいくか大切であると考えています。

自治会主催の夏祭りの主役となるおみこしは、見事な手作りです。「睦」というグループがありまして、そこでも2世が中心になって、「ガキ連」というものを作っています。ことしの夏祭りには2世が中心となって、運営を任されていました。

団地再生委員会に参加している20代、30代の仲間づくりを行いまして、「西小」というグループを作りました。ことしの夏祭りの協力のお手伝いをしています。
それと、ショッピング広場の活動で、ことし8月の終わりに、野外で映画会を開催しました。100名以上の参加がありました。来年度に向けて計画中です。

楽しい団地への活動を始めています。隣接している小学校の先生の協力のもと、通学路に面する集会所の壁に子供たちに絵をかいてもらいました。1年生から6年生までの子供たちが楽しく参加してくれています。

ご紹介した活動は団地中のいろいろな方に協力していたただいたのですが、いつまでも元気な団地をつくるということだと思って活動を続けています。

ていねいなパワーポイントの画面ですが、どなたが作りましたか。

浜岡集会所の建替えで一緒に活動している設計事務所の若い女性に作っていただきました。

ことしの夏祭りに、半日ほど参加させていただきました。大変すばらしいというか。すごいお祭りですね。千人ぐらいの人が近隣からもみえて、屋台もずらりと。

浜岡夏祭りには引っ越していった方も、ふるさとと考えて参加される方もいらっしゃいます。

多世代が繋がっている団地だと感じました。西小中台団地と10年近くかかわっておられる小林先生、お願いします。

無反応区分所有者が阻む決議、問題

小林いま、西小中台団地から活動を紹介されました。私は、これはひとつのお手本だと思っています。年代がたってゆくと、現状を維持管理して行くだけではだめで、改革がなくてはダメですね。昔、私は「経営的管理」と言っていたのですが、経営管理というとお金もうけをするのかと勘違いする方が出るので、最近、運営管理という言葉に変えました。ただ内容は全く変わっていません。

西小中台団地の運営を円滑に進めるための集会室の建替えが頓挫したという報告が出されましたが、これは西小中台団地が悪いのか、それとも法律が悪いのか、を考えますと、私は法制度に問題があるなと感じています。

高経年団地になると団地に高齢者施設を導入したいと、これは普通考えます。最初、高齢者施設を導入する検討をしていました。そのあと、住民の皆さんといろいろ話をするときに、ひとつのヒントがありました。高齢者施設だけだと絶対に4分の3は取れない、子育て支援施設と一緒にしないとダメじゃないかという意見がありまして、それはもっともだということで、最終的な案には、高齢者施設と子育て支援施設を合わせたものとして集会室の建替え案になりました。そこで、私は脇にいるだけなのですけど、皆さん、これは絶対に4分の3行くという乗りでした。多分、そう行くと思っていましたが、結果が70%。4分の3は75%ですから、中味を後で聞いたのですが、投票されていない方が2割ぐらいでした。そのうちの1割の方は、確信的な反対ではないが、もう1割は全く無反応な方がいた。

築30年とか40年とかになると、必ず、1割ぐらいの本当の無関心の方がおられる。現在の法律は、無反応な方は反対票になってしまいます。これはやはり、3分の2が出席すれば4分の3が取れるやり方があるのではないか、そうすると、2/3×3/4で1/2になる。あと、もう一つは、団地ですと敷地が広いので、コンビニに定期借地権として、一時貸すという要求が出てくると思う。

今の法律では、全員が合意しないとできないので、処分行為ですね。これが出来るようになると、経営的管理がかなりできやすくなると思います。

今の先生の提案は区分所有法ですね。法改正を伴う大胆な提案ですね。法律学者として鎌野先生のご意見をうかがいたい。

鎌野このケースで70%というところで、西小中台がどうのということではなくて、実際に可能かどうかという問題があろうと思います。ひとつは現行法の中でも無反応者、その中には多数の方の考えに従いますという方、積極的には意見はないけれども、本当の無反応の方もいますが、そういった意味では、その議案を提出する理事会の側から積極的に委任状を書いてくださいということで、もう最終的に集会に出席しても議決権行使書をあらかじめ行使して下さいということでしょう。

現行制度では代理人に、自分の投票権を与えるという方法があるが、そうでなければ自分が投票したいというのであれば、あらかじめ議決権を行使してもらう。とにかく全員から何らかの意思表示をしてもらうこと、できるだけ票を掘り起こすことで、あと5%をカバーする。

集会をどうするか、どうしても欠席される方がいると、私のところでもそうですが、集会に出てくるのは半分もいない、だけれども、委任状で何とか集会を成立させるということ。

鎌野これは日本だけでなく、どの国にもある。先生が提案されている立法をとっている国は、非常に多い。最初の集会で、成立しなかったが、そこだけの投票で過半数なり4分の3でも可能であると。これは立法が必要と思うので、それはそれで合理的な理由があれば考えられる。諸外国でも立法例があります。特別集会ということもあろうかとも思いますが、そういう形での法改正もあり得ます。個人的には何とか考えなければいけないかな、という気がします。

集会所の決議では、苦労された浜岡さん、鎌野先生の指摘どうですか。

浜岡そうなったらありがたいですね。日本の法律は行きつ戻りつで、むずかしいと思いますが、チャレンジしたいですね。

団地の見直しを

最近、団地の良さを見直したらいいという意見があります。団地の子育て環境の良さですね、古い古いと言っているのではなくてね。小林先生は、団地は子育てに向いていると指摘をされていますが。

本日参加の方も、団地住まいの方が多いと思いますが、もう一度、団地環境の見直しをしたいと思います。先程、大石さんが指摘しましたが、日住協の会員の半分くらいは、旧公団ですが、貴重な資源だと思っています。旧公団団地の現状を踏まえて、大石さんから報告をお願いします。

大石旧公団分譲団地の概況ということで調べました。151の会員のうち、築30年以上が100組合ありました。高経年マンション管理組合団体といっていいくらいです。このほかにも、いったん日住協に加入しましたが。その後自力管理に自信がついて、日住協を「卒業」していった組合が300くらいあります。データが残っている176組合をしらべたところ、176組合のうち100組合が築30年以上です。ここまで調べたら、もう少し調べようと、日本住宅公団が昭和30年以来、首都圏(東京都、神奈川、千葉、埼玉県)で分譲した団地は623あります。戸数にして20万戸、このうち築30年以上が、328あります。戸数で10万戸です。公団団地こそ、高経年マンションの重要な要素になるだろうと思います。従来は、日住協も建替えに関心をもっていて、1990年代に9年間、建替えに関するシンポジウムを開いています。西小中台団地さんも、その中心で、シンポジウムにも何回も出ていただいています。その後、経済情勢が変わって、従来の建替えでは無理だということで、マンションの再生というものに、アイデアを出し合い、法改正もやっていただこうと本格的に動き出そうと思っています。ちなみに、日住協の会長が事務局長を担当している全国マンション管理組合連合会(全管連)は、2009年に、マンション再生の提案を出しておりますが、その中で、再生の概念を「主要な構造躯体を残しながら、より長期的に100年以上にわたり、住むことができるように」、と定義されています。ちなみに国交省の文書には、再生という概念の中に、建替えと建替えによらない修繕ということが書かれています。私どもが議論する再生というものは、建替えによらない、主として改修で建物を長持ちさせるということですね。その際、議論の中で欠けていたのは、高経年マンションの再生を目指した管理、管理組合をどうしてゆくかということで、やはり、議論されなければならない、と考えます。管理組合運営をどう改善してゆくかについて議論することが大事なのではないか。主として団地になりますが、デメリットといわれてきた「遠い、狭い、交通の便が悪い」がありますが、これをメリットとしてゆく視点で考えてみたいと思います。

大石さんが指摘した高経年マンションの管理の問題が,今日のメーンテーマですので、その辺の論議を深めたいと思います。我が国の代表的なニュータウンである多摩ニュータウンで、典型的な団地であります豊ヶ丘5-3住宅から報告をいただきます。急激な高齢化を懸念して、10年近く前から、理事会の定年制を検討するなど、先進的な試みをしてきました。中心になって検討してきた小池さんに報告していただきます。

85歳超は、理事就任を拒否?

小池51年3月に入居しました。豊ヶ丘、貝取など4団地が旧公団により同時建設されました。あわせて800戸、うちの団地は240戸です。公団の債券積立住宅ということで、年間60万円を5年間積み立て、入居を待っていたら建設が3年遅れて、あげくに780万円が1200万円だと公団はずうずうしく言ってきました。積立者の会をつくり、1年間公団や国会にまで訴えました。最終的には、利子補給をやりましょう、4LDKも作りますなどで、条件を出してきたことから、収束しましたが、これを契機に入居者同士のつながりができました。住宅として4LDKもあって広いし、南に面して3室ある、住みやすい団地ですが、だれも出て行かない。高齢化が激しく、理事会は70歳を超えた人がほとんどです。これではまずいということで、平成22年に高齢化対策検討会を提案、総会でも承認してもらいました。3年間の検討期間に論議を重ね、住民説明会を数度開いて、最終的に臨時総会を開いて、承認となりました。

論議の一部を紹介しますと、まず理事の定年制ですが、理事になるのは義務でもあるが、権利ではないか、定年制にすると若い世代の負担が重くなる、住民のアンケートもとりましたが、65歳、85歳などの案がでました。結局、85歳以上で、病弱な住民は申し出て、就任を拒否できる、ということになりました。理事会の構成は変えないということにしました。ただ、理事長、会計理事など主要ポストの理事には、前年の理事がサポートするという制度を設け、過剰な負担を軽減することにしました。

このほか、途中(入居で、戸建てに住んでおられた方などには、マンションの住まい方を知らない方もおられるので、規約、細則など団地の住まい方を説明する入居者のしおりを作成したりしました。

業務の外注化は、高経年になればマンパワーが足らなくなるとして検討しましたが、管理会社のトラブルが頻発している現状から、導入を見送りました。

高経年団地で、理事会はじめ、悪戦苦闘している姿が目に浮かぶようですね。浜岡さん、同じ団地住まいとして、小池さんの報告を、どう聞きましたか。

浜岡240戸と目に見える規模で、その点うらやましい気がしました。環境が良すぎて住民がかわって行かない大変さも感じました。うちでは、子育て環境がいいので、子育て世代は入ってくるというメリットがあります。年齢も多様化するので、大規模団地もいい面があるのかなと思いました。うちは理事は、一部立候補制なので、知力、体力がある方は、何年も続けられるので、活躍できるわけで、年齢の多様性もあり、いい面もあると再確認しました。

大石さん、理事の定年制について意見がありますか。

大石定年制というのは、制度化するのはなかなか難しい、と思っています。区分所有者として、役員になるのは「義務」であるが、「権利」でもある。立候補がまずあって、輪番制をプラスする、輪番制は本来、やむを得ない制度ではないのか。

高経年マンションの管理をどうするか、すこし議論したいが、まず大石さんから、口火をきってください。

大石お配りした資料には、一般的なことをいくつか書きましたが、ここで追加したいのは、増築のことです。

1990年後半に、日住協としても取り組みましたが、あまり広まらなかった。私の団地では、19棟のうち、2棟だけ増築しました。窓側に30㎡の二部屋を増築しました。その棟の全員一致の合意が必要とされました、近隣の団地では、39棟のうち20棟を増築しています。この団地では建替えの声が出てこないのは、20年前の増築のせいだと思います。築30年、40年の団地でも、増築するのは、そんなに問題はないのではと思います。これからの団地再生を考える上で、選択肢の一つにならないか、と思います。

小林先生の研究室で、増築の研究をして論文を書いて、大学の先生になられた方がおられるとお聞きしましたが、増築についてはどうお考えですか。

小林増築がむずかしい理由はふたつあります。一つは法律上の問題、その棟の全員の合意。多分、法改正してもそうなる。自分の専有部分が変わるからです。もう一つは、住宅が余っている時代なので、団地内に2戸買うとか、そっちの方が、やりやすい。技術的には、築10年、20年なら増築の判断ができるが、それを超えると本体の方が、60年くらいで中性化が進みますから、築10年、20年の間で、検討することだろうと思います。

鎌野先生は、いかがですか。

鎌野小林先生がおっしゃるように、今日の状況を考えると、団地内に空部屋があれば、借りるとかして、書斎、勉強部屋にするか、親を呼び寄せて住まわせるとかの方が、現実的じゃないか、と思います。わざわざ、法律上、高いハードルを設けて、増築分の権利を取得するというより、今後は、他の選択肢を出すべきかなのかなと思います。

空き駐車場、隣接マンション組合と共同利用も

大石一番大事なのは、長期修繕計画の見直しですね。これからは、自分の団地、マンションの活性化とか自分たちの団地、マンションのめざすべき、理想像とかを加味しながら、長期修繕計画を見直していかなければと思います。そのことによって再生という中身が出てくるかとおもっています。先生の指摘する団地施設の有効活用では、こんなことを主張したい。

それは、団地の駐車場の空き現象があります。私の団地では、620戸のうち、470台分の駐車場を整備したが、70台分が空いています。ところが隣に新しいマンションがどんどんできていて、駐車場が足らない。だったら団地管理組合全体で使おうということが今後出てくる。区分所有者の概念を広げて、近隣のマンションに広げて、全体の区分所有者で使う場合に、課税対象にしないとかの措置をとってもらいたい、と思います。もうひとつは、コミュニティのことです。団地では、管理組合運営上、コミュニティを拒んではうまくゆかないと主張していましたが、団地管理組合は、コミュニティの良さがあります。その点では有利であると思っています。

次に、管理組合の運営管理についてです。役員資格について、現住要件を外す、配偶者に広げるなどです。役員定数の4分の1とかの範囲内で、第三者を認めるなど役員資格を柔軟にする。そのことによって一部戦力が足らないところを外部から参加してもらって、理事会を補強することも考えられます。役員辞退者の免除金制度を設けた組合もありますが、反対に役員報酬制を設けて、やらないからお金を出せではなく、やった人にお金を出す方が、前向きではないか、と思います。日住協の会員でやっているところがありますが、組合運営をサポートする事務局態勢を強化することが大事です。専任事務局長を採用する、専門性を持った人を事務局長に据えるなどです。そのことで、理事会の事務的なことへの負担が軽減されると思います。日住協としては、そういう管理組合の希望に対応できる人材育成をやっており、希望があればいつでも応えられるようにしたいという考え方で臨んでいます。

スクールバスにみる直接的利益、間接的利益

小林少し話させていただきます。実際にマンションでやっている運営管理の例です。青空市場、西小中台団地でやっている。入居パンフの作成、またスクールバスの運用、これはある例ですが、最近自治体の財政が厳しくなって、バス便を縮小する例が郊外団地で出ていますね。いくつかの例がありますが、これから必要に迫られて、実際にやっている例ですが、我々のような学者の立場から、これに対して理論的に大丈夫ですと、ということをやっています。反対者がでるが、どうやって説得するか、ですね。常識的に考えれば、管理組合でやってもなんら問題はないのですね。

一つは管理組合の総会で論議してそれを尊重する。もう一つは、間接的利益です。スクールバスの例で考えれば、直接的利益を受けているのは学童です。しかし、他の人が、なぜお金を出すかというとスクールバスはマンションの資産的価値を維持しているのですね。間接的利益を広めれば、幅広く、管理組合の必然性が説明できるのでは、と思います。これらの運営管理を進めるには誰かが発議するひとが必要ですね。

計画する人もいて、総会で承認が必要。結構大変な作業ですが、これができる条件があれば、できる。また、高齢化が悪い事ばかりではなくて、管理組合の担い手になるというメリットもある。若くて、共働きで働いている人は、忙しくてできない。子育てが終わった主婦なども活用しない手はないですね。

何が問題なのか、若い人を呼び込むには、現場で考え工夫しなければならない。失敗例があっても参考になります。
あとは、管理組合団体から理事長経験者をアドバイザーとして派遣することもやっていい。日住協もやっていると思いますが。

団地運営管理に大事なコミュニティ

最後に、これが理論的には課題になっているのですが、運営管理をするには、コミュニティが大切だというのですが、そこで、コミュニティと言っているときは二つの要素が入っています。一つがガバナンスという言葉。管理組合がきちんと運営できていく集団の健全さと訳されています。要するに、管理組合がきちんと意思決定できるということ、それできちんと運営されている。相互交流です。二つを合わせると、私の分類では、Bレベルの水準といえます。

現状を変更するような決定ができるというのが目標。理事がやることが、当然なのだという義務意識を持っている。相互交流、認知関係、お互いの顔が分かる。実際にはいいことがある。騒音トラブルの軽減にも、データ上役立っています。

顔知り関係があれば、トラブルが減ります。こんなデータを管理組合が出していただきたい。相隣関係が大事なのだ、だからお祭りなんかは大事なんだ、ということです。

マンションの目標はBレベル

  意思決定 参加意識 居住者間の関係 地域との関係
無関心レベル 管理組合がない 決議に参加しない 誰が住んでいるか分からない 地域社会と
関係がない
Aレベル
(普通水準)
-普通決議- -投票- -名簿関係- -個別-
Bレベル
(目標水準)
-変更決議-
現状を変更する特別多数決議(3/4)が円滑にできる
-分担-
組合運営に参加し責任を分かち合う(役員を担う等)
-認知関係-
相当数の居住者の顔と名が一致し、挨拶や立話がある
-多数-
居住者の多数が自治会に任意加入している
Cレベル
(特別水準)
-建替決議- -主導- -親密関係- -団体-
  • Aレベルは、現状維持を目的とした、集会における「普通決議」が円滑に出来る段階
  • Bレベルは、「変更のための特別多数決議」が円滑にできることを想定し、民主主義の意識が根付いていることが必要
  • 定住性が高いマンションはBレベルを達成しやすい⇒高齢化も悪くない。

管理組合は3つの役割がある。

一つは、共用部分を直接管理する、清掃したり、集会室の利用方法を決めたり、修繕したり、改修したり。次は専有部分の間接的利用。例えば、事務所に使ってはいけない、専有部分に係わることを、やはり管理組合はかかわっているのですね。

3番目。共同生活の秩序、生活トラブルを避ける、これは大事ですね。
これが発生すると、今の時代、ホームページを通じて広まる。すると資産価値も落ちますね。これは管理組合として非常に重要です。意思決定するために、ある程度、コミュニティが必要だということです。共同生活の秩序、トラブルを避けるために、一定の顔見知り関係を築いておくことがトラブルの防止になる。この理屈を覚えておいてもらって、総会などで、こういうデータがありますよと使っていただけると良いですね。

有難うございます。鎌野先生、追加すべき点がありましたら、お願いします。

鎌野まず、定年制でご苦労されておられるが、85歳になったら、辞退することもできる。賢明な選択だろうと思います。紋切り型で何歳になったら辞めるではない、そういうことでないと動かないということで、興味深く聞かせていただきました。

とはいえ、申し出の対象者が過半になった場合、皆さんが80才を超える場面というのは全く想像できないということではない。そういう時に、先程の講演でもお話させていただきましたように、色々な意味での外部の専門家とのネットワーク業務を担当する方々との連携が必要であろうと思います。

3つぐらいの段階があるのかなと思います。
1つは、実際に積極的管理にあたることを含め、理事会の内部にそういった方に入ってもらう。専門的知識の上で、ご意見をうかがう、と。
オブザーバー的地位、アドバイザー的地位を、例えば、その方には、理事会の中での議決権は与えないというやり方もあります。

それから、理事会とは別に、耐震強度の問題、あとどのくらいもつのか、といったことを、それぞれの専門家、法的な問題、それについては、理事会の外で、連携がどうしても必要になるであろうか、ということですね。事務職員を入れるとか。一部業務については、管理会社に委託するということも、高齢者が増えてくると必要になってくるでしょう。問題は、具体的に理事会で決定したことをやろうとして業務委託をするときの議決権のことが必要になってくるのかな、と思います。費用負担の問題がありますので、それとのバランスということになろうかと思います。補足ということで、団地、マンションの利点を生かす試みですが、積極的管理の部分で、資金の獲得とか空き住戸の賃貸化についてお話したい。

いわゆる生活サービス業務については、空住戸を管理組合で買うのはお金がかかりますが、無償で借りる、あるいは、取得することで、法的には、単に専有部分を無償で提供受けたという、そのままでは区分所有者全員の共有ということで、分割の問題が出てきますので、それを必ず、規約共用部分にして、組合のものにする。それを何に使うのかは、4分の3の決議にならざるを得ない。お金を払って取得、あるいは、売却すると、全員一致になる問題が出るので、そうしなければ、多数決で可能です。

生活支援サービスの取次、住まいの方、高齢者の方の生活の支援サービスを受けたいというときに、管理組合はあくまで窓口ですが、取り次ぐことで事業者との窓口となることで、小林先生の報告にあったコミュニティも関連することです。
ただ、管理組合がある業者に生活支援のある程度を委託して、管理費を支出することができるかどうか微妙な問題があります。

一応、受益者負担を望む、その方と業者との個人的契約であるとか、組合は橋渡しをするに過ぎないので、組合が一方の契約の主体として管理を仲立ちすると、責任問題が発生する。何か起こった時には、管理組合が責任を負うことになる。責任を問われることもあり得るので、そのあたりは慎重にする必要があります。

お金の使い方にも先程のスクールバスではりませんが、ちょっと立ち止まっていろいろ理屈を、小林先生は間接的利益を受けると言いましたが、いろんな考え方があり得るかな、と。私もギリギリかなと思うところなんですが。ちょっと理屈が必要かなと。スクールバスも、団地にお住まいの方は途中で、乗り降りすることで可能になるということで、理屈が立つ気がします。その都度、工夫が必要だとおもいます。管理組合が現状を直視し、いかに団地、マンションを活性化し、あくまでも区分所有者のためにハードで言えば、長寿命化し、できるだけ長く豊かな住環境のもとで、生活ができるよう管理組合が先導役になる形で、推進しなければいけないのです。そのための仕組み、円滑に進めるために、例えトラブルが起こっても、最終的に理屈が立つように考えれば、すっきりと行けるのかなと思います。

先程の小林先生の説明、マンションのBレベルというお話、そういった意味でコミュニティはガバナンスの意味で大事だということですが、興味深く拝聴しました。
法律だけ見れば、現状変更するのに、4分の3だとか、共用地の敷地を変更するときに、物理的に変更することが問題ではなくて、変更が必要な人、集団がいるわけで、そういう人たちのために変更する訳で、そのところがみえないで投票しても意味がない。それを実質化するために、それぞれの人が知り合って、実質的に多数決が生きてくるわけで、その前提としてコミュニティが欠かせないのではないかとも思います。多数決の裏に人の顔が見えることが大事ですね。

鎌野先生のいう管理士と理事からなる理事会方式、注目しておりまして、高齢化時代、人生90年時代で、まだまだ、大丈夫かもしれませんが、外部のパワーを使って、管理をしていくこともありうるわけですね。

鎌野いろいろなアイデアがあって、理事会の中に外部の人が理事に入る、業務の担当はするが、理事会の決議には参加しない、そういう在り方とか、私が紹介する管理士管理組合方式というものもあるのではないか、想定しているのは民間マンションなどで、管理組合が、一方では理事会方式で理事はいるが、理事長のなり手がいない、理事長は大変ですし、責任も重い。外部でも管理組合の代表であり、あるいは区分所有者の代理として、契約を締結する。そういう管理者、理事長にあたるものについて、マンション管理士、日住協の有識者が受託を受けて、そういう専門家が理事会のなかで、議長を務めて、そうして対外的には代表者である。そのメリットはなにか。多様な考え方があると思いますが、責任はある、専門的な知識はあるというということですから、管理者に管理業務を委託している、専門家が管理し、そこと渡り合える。ある意味では責任を一本化する、管理会社との間で交渉もする役を担う。内部としてはあくまで理事会として、従来の役員として法定権限があり、そこで決まったことを決定する可能性があるのではないか。

場合によっては、そういうところに、日住協の詳しい方が委託を受けて担う、報酬が伴うわけで、管理組合として、それだけのメリットがあれば、報酬を用意しておくということです。そうすると、実際には、例えば理事会がやるべきことをやっている場合に、積極的に義務を履行ということで、前に提案し、書いたことがあります。ですから、あくまでも考え方のひとつです。

日住協としても、この考え方に興味をもっているのですが、大石さん補足してください。

第三者活用は、理事会の枠組みを崩さないで

大石十分に検討に値すると思います。ただ、私としては理事会という枠組みのなかで、第三者を活用するのがいいという考え方で、ずっと来ています。もう一つは先生にもお聞きしたいのですが、高経年の今後の管理ということで、先生方から運営管理とか積極的管理ということがいわれていますが、管理組合の法人化問題を正面にすえてみたいと思っています。法人化によって本当に管理組合の権利能力を明確にすることができ、私たちが主体的に管理を担うのだということの証になると思います。しかし、法人化が広がらないのは、法人化することがどういうことか議論されていない。高経年マンションの管理のことを考えて行けばいくほど、管理組合法人化の問題は、正面から出てくる問題だと考えています。

ありがとうございました。時間も押してきましたが、高経年マンションとはいえ、若い方が活躍の場をつくるということも大事だと思っています。浜岡さん、その辺のことを少し、お話しください。

浜岡高齢化ということは大変だと思っていますが、高齢化がそんなに悪いかというとそうでもないですが、若い世代のひとたちが、団地に積極的に参加してくれるという場づくりですね。たまたま団地再生委員会というところに、集会所の建替えについて設計を仕事にしている方で、是非参加したいということで入ってきていただいた方と建替えのころから、管理の仕事をずっと研究してくださっている方がいまして、その方が大学の教授になられた時の生徒さんが、たまたま東京で仕事ができたと愛知から越してこられて、是非西小中台に住んみたいといわれた。そういう方たちが、西小中台をどうしてゆくのかという話し合いをする中で、そういう場づくりをして夏祭りとか団地の方たち、自治会の役員さんたち、たまたま同世代がいて、話が合って、今回、「西子」という仲間ができたりしたんですね。すこしずつ、入居世代が循環して、団地を持続するということでは、西小中台もそうした意味では、循環して行っているのかな、と思っています。

シンポジウムも長時間になりました。質問の時間にしたいと思います。

増える相続放棄への対応は

質問者:稲毛海岸3丁目管理組合先程の4分の3の決議に関してですが、私どもも外部居住者が多くなって、規約改正にしても大変な思いをしています。高経年マンションになって、いままでやってきたことをやろうとしたときに、必ず決議事項が出てきますね。ぜひ、決議の改正を考えていただきたい。もう一つは、高齢者がなくなって相続放棄が大きな問題になってきます。おそらく10年後、20年後になり、そんなもの(区分所有権)いらないよ、といったときに、集合住宅の場合、管理組合があるために、管理組合が色々なことをやらなければならない。ここが大変な問題になってしまいます。相続放棄の問題をどうするか、方向をお示しいただきたい。

鎌野全く同意見です。特別多数決議が、共用部分の変更とか、すべての部分について、変える場合に、前に進みません。場合によっては、この点については、4分の3の決議については、何らかの考えが必要であるからとか、管理組合の方の考えを、私どもに教えていただきたいと思います。相続放棄の問題については、まったく同感です。今後、マンションの管理組合は、相続放棄が多くなったら困ることになる。放棄のあと、その土地について国庫に帰属するということですが、国がもってもしようがない、国の方で管理費を払うようなことも出てくる。そうした面でも将来、立法措置が必要となってくると思います。

質問者:東高森管理組合実務的なことで質問したい。東高森は築42年になって、統一管理をしていて、統一管理ということで団地という管理組合で棟別で区分経理しなければいけないとされています。棟でやらなければならないことを、団地総会でやっているケースもあります。区分経理ということは、区分所有法のどこにもないので、どこで発案されたのか、歴史的なことをお伺いしたい、次に不在組合員についてですが、区分所有者はいるけれども、そこに住んでいない。600戸の団地ですが、団地の区分所有者が管理するのが原則ですが、250戸も空き家なので、350戸で600戸を管理するのは大変です。日住協は何か決めていますか。この解決の方法について具体的に知りたい。

大石統一管理という概念が、日住協にあったかどうか、わかりません。一括管理型という方がいいのじゃないかとは思いますが。

鎌野不在所有者は実質的に管理にかかわっていません。逆に住んでいる区分所有者が事実上、かかわらなくてはいけない。やはり大きな問題で、最高裁で不在区分所有者については、管理費をプラスアルファしてとっていい、となっています。そのうち、小林先生が指摘したように4分の3決議するときの決め事を入れるという問題も出てくるのではと思います。重く受け止めたいと思っています。

それでは、最後になりましたが、パネラーのかたがたに、最後に、まとめのご意見をお願いします。小池さんから順に。

小池平成15年に理事長をなりまして、どうやっていいかわからないので、多摩市が主催するセミナーに出ました。そこでドイツやアメリカでは、マンションは70年とか100年もっていると聞きました。うちの団地は、39年ですからまだ壮年です。コンクリ-トの中性化の問題も、塗装とかをきちんとやれば、ブレーキがかけられる。我々はまだ、壮年期だと思って、これから管理してゆこうかと思っています。

浜岡とても参考にさせていただきました。やはり4分の3というハードルを下げてもらいたいと思います。こういう提案したことに対して、賛成票の使い方を何とかする方法はないのか、と思います。

鎌野動的、積極的管理あるいは成熟型管理とか、財産運用、あるいは積極的管理と経営的管理とか、学者はどうしてもそういう言葉が先行してしまいます。さきほどの小池さん、浜岡さんのお話をお聞きしてますますそういうことが必要であると改めて認識させていだきました。本日は私にとって、これからいろいろの問題を考える貴重な時間だったともいます。

それとの関連ですが、積極的管理とか経営的管理とか、小林先生もおっしゃいましたが、いろいろなことを受け止め、それを法的に考え、一方で、ブレーキを踏みながら、さらに一歩進める役割なのかな思います。小林先生が動的管理といいましたが、以前から山本育三先生(元マンション学会会長、現全管連会長)などもおしゃっておられるので、そういうアイデアもいただきながら、法的に何とか組み立てるというのが法律家としての私どもの役割と考えております。そして、それをさらに推し進めるのが、実際の管理組合で苦労されている小池さんや浜岡さん、大石さんとかで、それをサポートするのが日住協ということだろうと思います。

小林高経年マンションの問題を、解決するのは管理組合の皆さんですね、我々のような学者としては、それに対して法的制約があれば、それを何とか解決するように国に働きかけるようにしたい。さらに専門家の技術者がいますが、いろいろなノウハウを示して、これら3者が一致して初めて、高経年の問題を解決できると思います。私は、マンション学会の会長として出ておりますので、努力していきたいと思っています。

ありがとうございます。最後に、大石さんから、本日のシンポジウムを受けての日住協としての決意表明をお願いします。

大石これから長期戦になると思います。こういう問題への取り組みを、目的化し計画的に組織的に進めてゆく。高経年マンションの管理組合の強化、そして、そのうえで、マンション学会とかマンション管理士さんを含めた各団体によるこの問題の研究団体を組織してゆきたい。日住協としては、非力ではありますが、来年以降、そういう提起をしていきたいと、また、訴えていきたいと思っています。


関連記事