NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 理事長インタビュー ダイヤパレス湘南片瀬山管理組合法人 浅治 成也 理事長

理事長インタビュー ダイヤパレス湘南片瀬山管理組合法人 浅治 成也 理事長

ダイヤパレス湘南片瀬山管理組合法人 浅治 成也 理事長

ダイヤパレス湘南片瀬山管理組合法人
浅治 成也 理事長(67)

(聞き手・川上湛永 NPO日住協会長)

管理運営上の課題は何ですか。

8階建て、瀟洒なつくりのダイヤパレス湘南片瀬山

浅治 : 22年目にしては、住民間のコミュニティが十分ではないこと、二つ目は管理組合の収支のバランスの改善ですね。駐車場の件ですが、区分所有者は40戸ですが、このうち、10台分が分譲駐車場となっています。土地所有者が当初、住戸を売ると同時に分譲したのです。土地をもっていたダイヤ建設が分譲したのですが、駐車場ではなく車庫として売っていますね。誰が見ても車庫ではなく単なるスペースですが、車庫として固定資産税がとられています。

登記もされているのですか

浅治 : 車庫として登記されています。将来、建て替えの際には、問題になってくると思っています。管理組合が、買い戻すことになるでしょうね。

それで、管理組合が2台分を取り戻したのですか。

浅治 : このマンションは、バブルのころ分譲されましたが、車庫としての分譲価格は1千万円でした。もちろん、その後、下落して管理組合が買い戻したときは、1区画20万円でした。

マンションの分譲が始まったころは、土地と建物の関係があいまいでしたから、駐車場をめぐって土地所有者とのトラブルは多く、各地で訴訟も頻発しています。

浅治 : 当時の建設省も、通達でトラブルの要因となる駐車場分譲は、やらないようにとしていたのですが、そんなものは無視して分譲したんですね。こんなことで、私は管理会社を、はなから信用していません。だって、管理会社は車庫だといって我々の主張を認めないから、じかにダイヤ建設と話をつけたいといって、結果的には20万円で買い戻したわけですからね。

1千万円で買った人は、文句言わなかったですか。

浅治 : 文句は言わなかったですね。もともと1千万円で買ったひとは、途中で出て行ってしまわれましたから。その後、買った方は、せいぜい4,5百万で買われているようです。ただし、分譲駐車場とはいえ、勝手に売れないように管理規約で縛りました。権利関係が複雑になりますからね。

コミュニティのことで、ずいぶん頑張っているようですね。

浅治 : そうですね。22年もたっているのに、住んでいるひと同士の交流が、進んでいないのですね。表面上は、もちろん挨拶は交わしますし、まあ穏やかですが、管理組合で親睦のパーティをやりましょうとよびかけても、少人数しか集まりませんね。パーティとか集まりをやる予算を年間4万円とっていますが、使われませんね。

浅治さんが、理事長の時、パーティは開きました?

住民のコミュニティを活性化させたいですね、と強調する浅治理事長=藤沢市片瀬の自宅で

浅治 : 1階のロビーの真ん中にテーブルを置いて、その上に白いクロスをかけて、お花、ローソクを立て、雰囲気を出しました。でも、集まったのは、20人くらいですかね。40戸で、100人くらいの住民が住んでおられるのですが。20年もたてば、住民同士の交流が深まらなくてはいけないと思うのですが。
今、長期修繕計画を策定する準備をしていますが、それに関連して、コミュニティ形成のために住民同士の交流を高めるにはどうしたらいいか、とアンケートをとりました。フロアごとに集まって、毎月一度、お茶を飲む会を開きましょうとか、防災訓練をフロアごとに実施して、お年寄りなど安否確認が必要な方を確認するとかのご意見が出てきました。理事会とは別に、これからサークルや部会を作れたらいいなと考えています。

具体的な意見が出て、よかったですね。ところで、理事会の運営についてお聞きしたいのですが。

浅治 : 理事会の定員は4名、監事1名です。最初からほぼ同じです。毎月一回、定例理事会を開きますが、長期修繕計画の改定、大規模修繕を控えていますので、月1回では間に合わないですね。だから、管理会社任せになりがちです。

役員は輪番制ですか。

浅治 : 最初から輪番制ではなかったのですが、住んでおられる方が少なかったので、最初は20件くらいが賃貸でした。住んでおられる方が、10名くらいで、そのうち5名が役員ですからね。何回も、同じ方が役員をやるという状況でした。その後。10件くらいの住戸を持っていた法人が、全部売却して、それで新しい区分所有者が入ってきました。そこで、輪番制にしようとなったのです。ところが、私のやり方が間違っていたのですが、新しい方だけで、理事会を構成してしまったのですね。理事会がガタガタになってしまいました。

むづかしいところですね。新旧住民の兼ね合いは。

浅治 : 最初に入居された方は、もともとこのマンションの建設で周辺から反対運動がありましたから、入居してから、ごみの回収などでも大変に苦労された。新しい方はそんな苦労は知りませんから、その辺で溝ができましたね。

理事長は、3回目とお聞きしましたが。

浅治 : そうですね、とびとびに理事長に就任して、いま3回目の最中です。2年任期ですが、昨年5月からです。本来、2年前からのはずでしたが、事情があって、1年目は副理事長でした。

理事長のあるべき姿をどう考えていますか。

浅治 : 理事長は、日常的なマネジメントをやる役職として、もっと中長期的なことを検討する運営委員会とか経営委員会を設けて、そこで中長期的なことは審議していただいたほうがいいと考えます。その運営委員会は、あんまりメンバーが変わらないほうがいいでしょうね。

マンションでも、計画性や継続性は大事です。

浅治 : 1年ではだめで、2年ならいいか言うと、1年も2年もあまり変わらないですね。1,2年でできなければ、何年かけてもできないと思います。予算だとか数字を読めない理事長だと、管理会社から出てきたものを、そのまま出してくる、よくよくみればおかしなことがいっぱいあるのにね。理事会にすべてを託すのはリスクが高いと思いますね。これからは、予算、修繕工事の数字のわかるひとが、アドバイザーになって、長期的なビジョンを作る必要があると思います。そうでないと、おおげさに言えば、日本のマンションは十分、機能しないと思います。

積極的な方がグループでまとまっていればいいが、一人ではすべてがかぶってきますね。

浅治 : みんなのためにやっているのに、あいつは独善的だとか、変にみられる。何もしないで、管理会社任せのひとがノーマルだなんてね。これではおかしいですね。管理組合には、何の努力もしなくていいのだという常識がまかり取っている気がします。日住協さんがよくやっておられる、育ててゆく、教育をしてゆくことが必要と思いますね。何もしない、だから情報が入らない、だからいつまでも変わらない、これでは希望がない。日住協さんがやっている教育的なことを押しすすめてゆくことが必要ですね。

長期計画の改定を考えていますね。

浅治 : 管理費が高いので、今まで通りでは値上げをしないとやっていけなくなります。既に高い水準で管理費も修繕積立金もあるので、これ以上値上げはむづかしい。収支バランスをとるには、管理費を抑えるべきだというアドバイスをいただいています。

管理費、積立金はおいくらですか。

浅治 : 住戸の広さによって若干ちがいますが、平均的な広さ(120㎡)では月額の管理費23、000円、修繕積立金22、000円、駐車場が20、000円です。これに、固定資産税がバブルのころに建ったので、年間250、000円です。月額にすれば20、000円ですね。固定資産税を含めた合計だと85、000円になる計算です。高級マンションと言われていますが、これでは市場性が劣りますので、何とか抑制していかなければと、と考えています。

抑制策は。

浅治 : エレベーターのメンテナンスを独立系に切り替える、管理人の住み込みをやめ、また玄関,廊下などの照明をLEDに替え、これは30%,電気料金を削減しました。5年後に、大規模修繕を計画しています。外壁改修、屋上防水、植栽を含めた外構の改修などです。また、長期修繕のサイクルを、今までのように10-12年ではなく、15-20年おきに伸ばすことも考えています。東京のマンションなどの事例を調べても、問題ないのではと判断しています。長寿命化をめざし、建物の維持管理の水準を保ち、住みやすいマンションにして、「ビンテージマンション」としてゆくのが目標ですね。

ダイヤパレス湘南片瀬山
藤沢市片瀬2-2。RC8階建て。40戸。平成3年竣工。1階部分に、広いスペースがあり、震災時には地域にも開放できる可能性がある。江ノ電柳小路駅から8分。江の島、鎌倉などにも近く、周辺環境はすばらしい。


関連記事