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第2期「訪問相談・派遣専門家育成講座」第3回(総会の意義と運営)

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参加者の報告と討論に熱気~ゼミナール方式ですすむ(2012年10月9日)

ゼミナール方式ですすめられている今回の講座も9日で3回目を迎え、ひきつづき参加者から丁寧で熱気のある報告が各テーマについて行なわれ、討論内容の範囲もひろがり、はじめから終りまで活気が満ちたものになりました。同じテーマについて2人から報告がありました。

そもそも会議とは

講座での順序とは違いますが、レジメで紹介された「そもそも会議とは」の部分が、この問題を考える前提になりますので、最初にのべておきたいと思います。

それは、区分所有法が「集会主義」を基本とし、マンション管理適正化法が、総会を「最高意思決定機関」として重要な位置づけをしていることの意義です。ただ集まって多数決で議決をするだけなら、民主主義における会議としては十分ではありません。集まって互いに相手の意見を聞いて、疑問を正し、自らの主張を説得し、その結果として場合によっては自分の意見も変わり、あるいは相手の意見が変わるなどをつうじて、ほんとうの意味の合意形成を図ることができるということです。そしてA案かB案かと討論していたが、少数であったB案が多数派になったり、あるいは双方とも欠陥があり、あたらしくC案がよいということになったりするばあいがあり、採決はそういうことの結果として行なわれるわけです。

以下、テーマごとに報告・討論などをまとめました。

【1】 そもそも総会は何のためにおこなうのですか。総会の目的について、考えられるいくつかの項目を列挙し、それぞれについて説明してください。

今回は、同じテーマで2人が報告しました。Hさんは、総会の目的を大きく「快適で安心なマンションライフと資産価値の維持・向上を図るため、管理組合の最高意思決定機関として、管理組合運営のための基本方針、重要事項を最終決定すること」と「管理組合活動への関心を高め、組合員の相互理解を図ること」の二項を挙げ、詳しく説明しました。Kさんは、総会の目的を「招集者の側から」だけみるのでなく、「出席者の側から」もみることが必要だという観点からみることの重要性を指摘しました。出席者は、提案者からの説明を受け、他の出席者との意見交換をおこなったうえで、議案について承認・非承認の態度表明(賛否でなく)が義務づけられているのだという位置づけをしました。

討論では、会議出席者の反対意見が多かったなどの場合、「承認されても執行しない」という態度をとったことがあるが、それでよいのだとの提起について議論になりました。「内容によるが、むずかしい。反対の多い場合、取り下げの方がいいのでは」とか、「会場から採決せよといわれたら、どうするか」などの指摘もありました。また首都圏マンション管理士会が著した本の総会の進行のところに、「取り下げは前日までは良いが、それ以後はダメと書いてある」「前日まではよくで、以後だと悪いという根拠が分らぬ」などの話も出ました。これに関連して、採決の延期などを「議長の権限」でやればよい、との話も出ました。これについては、議長の権限でできるが、総会会場で異議が出たばあい、議事進行上の動議として総会にかけて判断を受ける必要があるというのが結論となると思われます。もし、そうしなければ「議長不信任」が出され成立して、新しい議長のもとで総会会場での多数意見にそった処理がおこなわれ、結果は同じことになります。

 

【2】 総会(集会)にたいし区分所有者として意思を表明する方法としては、区分所有法の規定により、会議へ実際に出席して意思を表明する、委任状および議決権行使書によるという三つの方法があります。それぞれの管理組合によって種々のやり方があると思われますが、次の項目にふれながら、報告者として望ましいと思う方向をしめしてください。

(1)実際の総会出席者 ①出席を促進する方法、
②マンションに同居する家族が出席する場合の扱い、
③その他
(2)委任状 ①理事長委任状、
②議長委任状〔議長と理事長が異なる場合の委任状の扱い〕、
③他の会議出席者への委任、
④委任状が不備=たとえば宛名がない、
議案への賛否が記入してあるなど=の場合の扱い
(3)議決権行使書

総会の議決に参加する3つの方法のなかで、どれが望ましいかという質問については、二人の報告者の見解は、(1)→(3)→(2)の順だということで一致しました。他の参加者の意見もほぼ、同一の見解でした。これについて、(2)と(3)の順位は違うのではないかという意見も出されました(後述)。

報告者のひとりは、(1)のなかに準・区分所有者として家族とくに将来区分所有権を継承する可能性のある者(配偶者、子どもなど)を入れて考えるべきだと指摘しました(実は、テーマも「家族」は(2)でなく(1)の方に位置づけています)。

報告者がそろって(2)よりも(3)の方が望ましいとしたのは、(2)は他人に判断をゆだねるが、(3)は自分の意思を表明する手段だという理由です。解説本などでも、そういう立場をとっているものが多いように思われます。ただ、討議で指摘されたのは、それにもかかわらず、実際の総会では、議決権行使書よりも委任状の方がはるかに多く使われている、議決権行使書などは全然考慮に入っていない管理組合が多いがどうしてかということです。この点は、「知られていない」「知らせるべきだ」というのが課題だという結論になりました。

ただ、これに関連して、議決権行使書は区分所有者自身の意思であることは間違いないが、それが数多く集まれば、実出席者があまり多くないのは普通であるという総会の実情からいえば、総会をやる前に採決結果は決まってしまって、総会をやる意味がなくなってしまうという問題点があるという点です。つまり、総会にあつまって討議し、意見交換をし合って、意見を変えたり、もっといい修正案を見つけ出して決めたりするという集会本来の性格は発揮できない、ということです。それでも理事長委任状がたくさん集まっておれば同じではないか、といわれればその通りです。

この点では、委任状は議長委任状(理事長とは違う議長)を重視して、議長委任状は会場の採決(議決権行使書などもふくめますが)の多い方に入れる(つまり会場の採決結果ができるだけ実質的意味をもつようにする)という運営をやっているという実例が紹介されました。

なお、年1回駐車場の位置変更をする組合では、総会の後にそれをやることで出席をせざるを得なくさせるとかの手立てを講じるとか、小規模のところでは総会後に飲食物の出る懇談会などを企画するなどして、参加者を増やす工夫をしているところもあることを参考にという意見もありました。

そのほかに、第2回講座(規約)のテーマで扱った「書面投票」と似ていますが、違ったものとして、総会後に一定日数をとって議案に賛否の投票をする形式をとっている管理組合があり、さいたま市の加茂川団地(旧大宮市)では古くからこの方式を実施し、総会後1週間をかけ、次の日曜日に締め切って開票するものでした。これなら、区分所有法上の集会(総会)を実施していますから、総会の期間が1週間(8日間?)あるとみなせばいいわけです。ていました。高洲三丁目住宅管理組合でも、同様の形式で、ここでは投票ではなく、議決権行使書の提出という形式ですが、内容的には同じだと思われます。

 

【3】 総会を成功させるとはどういうことですか。会議時間は短く、シャンシャン大会で発言もなく終わるのが理想ですか。それともたっぷり時間をとって、詳しい質疑討論をおこなうのがよいのでしょうか。

  • 事前準備(議案そのもの、役員候補集め、議案説明会などをふくむ)
  • 議案の内容について
  • 時間配分
  • 会議後の処理
  • 管理会社からの出席、発言

ここでは、事前準備から本番の総会の開き方、終了後の処理までふくめて、総会を成功させるための準備、実際の総会での対応のあれこれ、および総会後の処理などを具体的にみるのがテーマの趣旨でした。

多数の項目があるので、各項目について突っ込んだ討論はできませんでしたが、おおまかな点はつぎの通りです。

全体の所要時間は2~3時間、あるいは最大2時間程度がいいと報告されました。あまり短いのはよくないが、5時間も6時間もやるのも適切でないということです。もっとも出席者が1ケタしかいないような総会は別です。

これに関連して、参加者の管理組合での総会への実出席の割合が話になりました。総数が100人未満の組合では、30~40%ぐらい参加しているところもあり発言者は少ないと感じているようでしたが、数百人規模の管理組合が10%ぐらいからせいぜい30%ぐらいまでと比較して、少ないともいえないのではないかと思われます。また、駐車場の入れ替え抽選の日程を総会の後に入れて80~90%という出席を確保している管理組合も、出席者ではありませんが、存在していることも紹介されました。

ほかに、議決権行使書の行使との関係で、議題は、事前に表題や要領だけでなく、全内容が区分所有者に渡される必要があること(小規模のマンションでは事前には議題だけというところがある)が強調されました。

会議後の処理では、「結果の公示」をおこなうこと、議事録を必ず掲示あるいは配布することが強調されました。議事録を全員に配布しているところも相当あるようです。また、議事録にどの程度の内容を書いているかが話になり、主要な発言も入れて相当の分量になっているところもあるという報告がありました。一方で、議案それぞれの採決結果だけという最低限の要件だけのものもありますが、法的にはそれでも差し支えありません。

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