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第2期「訪問相談・派遣専門家育成講座」第4回(理事会運営について)

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2012.10.23

第2期の講座も10月23日で4回目となりました。テーマは「理事会会議の運営」です。受講者の報告の冒頭で、テーマにもかかわる問題として、理事会のない第三者管理の投資型マンションで、管理会社による管理者方式から法人管理組合に変えるという形で管理会社の負担を押し付けてきたケースの具体的報告があり、どういう酷いことが行なわれてきたかの体験にもとづき、資料も出されて、興味ある話がありました。

本題のテーマの内容と、それにもとづく報告・討論・助言者(大石理事)の発言をまとめて、以下に記します。

【1】 管理組合の理事から、役員のなり手がないのでマンション管理士に相談したら、「私が有償で管理者になって管理しましょう。そうすれば、組合員も輪番で役員になるという煩わしさから解放され、しかも専門家による管理で管理もよくなる」と言われたが、

① 本当に管理組合が理事会を設置しなくても良いのか、
② 理事会を設置せず、第3者の管理者に管理を任せることは適切か?、
③ そもそも管理組合に理事会を設置し、組合員が理事になるのはどうしてなのか?

という相談があった。これについて回答してください。

①、②について、区分所有法では「問題なし」だが、のぞましくない。理由は、区分所有者との乖離、チェック機能がないため「手抜き管理」になる恐れ、管理者の暴走の恐れ、規約改定が困難で理事会方式への変更が困難などである。③について、理事会方式および第三者管理者方式のメリット、デメリットを考えたい、との報告があり、討論をした。

講師(助言者)からは、③について標準管理規約が定めているのでこうなっているのだが、これは専門家が原理的に決めたのではなく、管理組合の実践のなかから生み出されてきたものであることを説明した。またわが国では、そもそも第三者として管理者になりうる「専門家」はこれまでにも現在もいない。そのなかで、管理組合自治が発達してきたのであるなど、制度自体の歴史から考える必要性が強調された。

【2】 同じく管理組合の理事から、「理事長がやり手で、『私は管理者だ』といって、自分で勝手に業務を行い、理事会はその事後報告を追認するだけという実態である。理事長というのは、中小会社の社長みたいなものですか」という相談があった。管理組合における理事長の役割について、標準管理規約や「区分所有法」をもとに、詳しく説明してください。

この点に関する報告者の報告は、まず区分所有法と標準管理規約では理事長(管理者)の位置づけと役割がどうなっているかを表でしめし、そのうえで、標準管理規約のしめすように、理事長は(質問で指摘されるような)単独での判断は不可であることは当然であると述べた。そのうえで、理事長に求められるものは、「区分所有者の共同の利益と良好な住環境の確保を目的とするマンション管理におけるリーダーとして、区分所有者の声を聞きながら、理事会組織運営を円滑に行っていく力(合意形成力)」だと指摘した。

討議では、「いわゆる大統領制か議員内閣制かといえば、議員内閣制だ」とか、「標準管理規約の基準はもっともだが、保存行為のようなものは理事長判断でできるのでは」などの意見が出た。前者については肯定されたが、後者は「そもそも区分所有法では保存行為は、区分所有者個々ができる。しかし、標準管理規約ではそれを管理組合がやると制限しているわけだ。だから理事長判断でできることは事実だが、それは独断を許すというようなものではない」という趣旨の発言もあった。

また、「リーダーというべきでない」という発言と、「リーダーとして一定のリードをすることは必要」との発言と両方の見方が披露された。

【3】 初めて理事になった人から、理事は理事会を構成し、定期的に理事会を開くとなっているが、

①理事会とは、どういう性格のもので、
②何を議題にどう運営され、
③理事のそれぞれの役割は何ですか、

という相談があった。これに回答してください。

これは理事会についての基礎的な説明をもとめるものである。報告では、①理事全員で構成される業務執行機関、②標準管理規約で挙げられている9つの議決事項と議決権等における理事の平等、③これも標準管理規約にもとづいて理事長、副理事長、会計担当理事および関連して監事について、の説明があった。

討論では、とくに管理会社主導の理事会の場合における理事のチェック機能や理事会への管理会社の報告義務などで質問があった。また、理事相互間では互いのチェックというか評価というのは出しにくくほとんどないとの話も出された。

助言者からは、総会は通常年1回なので、マンション管理においては理事会こそが要であると強調された。

【4】 理事会の招集については、標準管理規約では「総会招集手続きに準ずる」と書いてあるだけですが、理事会の招集や運営について貴方が特に留意すべきと考えていることを述べてください。

報告者からは、招集その他の手続き全般についての説明のほか、重大な決定は総会が必要なこと、委任状の問題、必要に応じ管理会社の同席しない会議の開催を考えること、理事間の感情的対立の回避などの問題が提起された。

討論では、招集は総会に準じてと標準管理規約にはなっているが、招集日時の間隔は総会より短くていいのではないかとの意見が出された。しかし、定期に日時が定まっていても招集状は必要であり、手続きはきちんととることは当然である。委任状は、両論あったが、否定論が強かったようである。

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