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管理規約をめぐって論議 第3回育成講座

管理規約について活発な議論を展開する参加者ら

管理規約について活発な議論を展開する参加者ら

NPO日住協主催の訪問相談・専門家育成講座は、1日、千代田区神田須田町1丁目の同本部で、第三回講座が開かれました。今回のテーマは、「マンション管理規約について」で柳沢明夫理事が基本的な考え方を報告、参加者で論議しました。穐山会長が講師として報告の予定でしたが、都合により、講師が代わりました。

今回の講座で、主に議論となったのは次のような点でした。

(1)「原始規約」に多く見られる旧地権者などの既得権益をなくすためには、管理規約の改正が必要になるが、改正には4分の3以上の賛成が必要となり容易ではなく、これについてどうするかという問題。

(2)管理組合の機関として総会の決議で「住民会」という組織を設置し、その経費を管理費から支出してきたが、最近になって一部の組合員から違法ではないかという意見が出てきた。自治会という管理組合とは別の組織への支出であれば問題になるかもしれないが、総会の決議で管理組合の機関として運営している限り、適切であるとの意見が出されました。これについては、第8回に予定されている「コミュニティー活動」で、改めて議論することとしました。

(3)最も大きな論点となったのは、柳沢講師が「中間機関」の一例として提起した「街区班」に関する規約で「街区班は居住者によって構成し・・」という部分でした。「占有者」ということであれば、「班長」などを義務付けることは「区分所有法」上可能であり、また入居の際に「同意書」を提出することになっているので問題ないが、「居住者」にまでそれを「義務」付ける規約は問題があるのではないか、という意見が出されました。

この問題は、管理組合の目的や性格をどう捉え、そのなかで区分所有者の家族や賃貸人及びその家族などをどう位置づけるかという問題でもあります。それは、「適正化指針」でマンション管理の目的として「社会的資産としてのマンション管理」としているところをどう考えるかという問題でもあります。平成16年の「標準管理規約」の改正で、管理組合の業務として「コミュニティー活動」が新たに加わったことをどう捉えるのかという問題にも繋がってきます。その点を、第8回の講座でさらに議論することになりました。

管理費等の負担割合、専有面積比で妥当か

(4)もう一つ議論となったのは、管理費や修繕積立金などの負担割合を専有面積比で算出することの是非。講師もその点を指摘しましたが、参加者からもその非合理性が指摘されました。理屈としては「区分所有法」で「規約での別段の定め」を認めているのだから問題ないということなりますが、判例として1.5倍以上の面積差があるところで負担割合を同額にしたものについて問題だとした判例があるとの指摘もされました。また、長い間、面積比で算出してきたのを突然変えるとのは困難ではないか、という指摘も出されました。理論と、実際をどう按配するかの難しさが確認されました。

(5)この他、総会の成立要件の是非、普通決議の可決要件、理事会の成立要件と議決要件、理事の委任状の是非なども問題提起されましたが、これらについては、第4回の「総会運営の要点」及び第5回の「理事会運営の要点」のなかで議論することになりました。

また、講師からは「賃貸化の規制」の是非、管理組合の業務として何ができるのか、できないのか。あるいは、何をしたら良いのか、などについての問題提起もされましたが、時間の制約もあり、突っ込んだ議論ができませんでした。

講師が提起した「規約論」的なところの議論が不十分であったのは残念ですが、規約に関する基本的は問題状況については共有できたものと思われます。

次回は「総会運営の要点」がテーマで、11月8日(火)18時から開催されます。


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