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訪問相談・専門家育成講座【第4回】

11月2日に、第4回講座が開かれました。第1回からひとりの欠席者もなく、毎回、マンションの抱える様々な問題の論議を深めています。

総会運営の要点で意見交換

3回までは、総論でしたが、4回からは、各論に入りました。
「総会運営の要点」がテーマ。柳沢明夫講師からのレポート及び日住協会員組合の総会運営の実態報告を受けた後、討論が行われました。主に議論となったのは次のような点です。

(1)議決権行使書の取り扱い方について

多くの組合は、本人出席・委任状・議決権行使書の3本柱を保証していますが、委任状が中心となっているのが現実です。一部組合では議決権行使書を「認めない」というところもあるようですが、これは違法。今年7月に改正された標準管理規約のコメントで、議決権行使書の意義が強調されたこともあって、管理会社でも従来否定してきた議決権行使書をやっと認めるようになったとの報告もされました。議決権行使書が余り積極的に位置づけられないのは、それが総会議事の前に過半数以上提出されれば、議論によって決議が変更される余地がなくなってしまうという問題があると推定できます。
しかし、集会に出席できない組合員本人の意思が明確に示されるという意味では議決権行使書の意義は大きいという意見も出されました。また。議決権行使書万能的な総会運営の弊害を克服するために、形としては総会を1週間開くとし、議案の説明や質疑・討論で第1日を終了し、その後1週間以内に集会に出席した人も含め、全組合員が議決権行使書で議案への賛否を示す方式を採用している組合の事例が紹介されました。

(2)議長委任状の取り扱いについて

一般に議長=理事長となっていることが多い(標準管理規約)ことから、議長委任=議案賛成となってしまうという問題点が指摘されます。ある管理組合では、規約で議長は出席した組合員から総会の場で選出となっているので、委任状も3種類(理事長委任・議長委任・特定者委任)を作成し、「理事長委任は議案賛成となり、議長委任は総会出席者の多数意見の方に加える」と明記しているということでした。

(3)「あらかじめ示された議案のみ採決できる」との規定との関係で、議案の内容は総会の場において、どの程度まで修正できるのか

使用料などの増額議案について、減額修正は可能という見解がだされました。他方、議決権行使書が多く存在する場合は、修正は不可能という見解も示されました。

(4)報告者も提起していましたが、そもそも総会をどう捉えるか、総会の目的をどう考えるかという問題に関しては、多くの参加者は、報告者の提起どおり、「会議参加の意見が正しく反映されるようにし、執行部への信頼性を増大させ、管理組合への理解を一層深め、コミュニティづくりに役立てる」ものとして捉えるということでしたが、現実に実態との関係でそれがどこまで可能かという問題も出されました。とくに、管理会社が総会運営を牛耳っているという実情がしめされました。一方、総会の目的は「議案を可決する」という一点につきるという割り切りかたでも良いのでは、という意見も出されました。

(5)役員選任議案に関して、理事と監事を一括して「役員」として選任し、後の「役員会合」(?)で監事と理事の区分をするという方式の是非、役員候補の選任に当たって、一括信任が一般的だが、本来は個別信任が相応しいのではないか、という指摘もありました。

多くの規約では理事長は理事の互選で選出となっており、また規約では理事会は理事長が招集するとなっているが、では理事長を選出する第一回の理事会は誰が招集するのかという問題も出されました。
これについては、総会の場で理事選任議案が可決されたら、その理事が別室に集い、そこで理事長を選出するという方式か、あるいは新たな役員が選任されるまでは旧役員が引き続き役員を務めるという規定があるので、前理事長が第一回の理事会を招集するという考え方で対処するという意見も示されました。

(6)また、議案への意思表明として賛成・反対の他、保留・棄権などもあるのかという点や、総会議案の構成の仕方(事業報告は「議案」として決議案件としなくても良いのか、会計報告では収支報告とともに貸借対照表も添付すべき、監査報告を独立の議案として決議案件にするのはおかしい、監査報告には会計監査のほか業務監査についても記述すべき)などについても意見交換がされました。

(記・大石和夫理事)
第5回は「理事会運営の要点」をテーマに、11月15日に開催します。

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