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訪問相談・派遣専門家育成講座の第5回

訪問相談・派遣専門家育成講座の第5回は、11月15日に行われました。

理事会の運営で論議する参加者たち

理事会の運営で論議する参加者たち

テーマは理事会運営についてで、参加者にとって身近な問題とあって2時間余、活発な議論が展開されました。

冒頭、西山博之理事長が自らの団地での経験を踏まえて報告しました。


理事会の運営の要点

1)役員の定数と選び方

理事の定数は、規約で00以上00以内という定めが適切で、任期途中で1,2名欠けても臨時総会を開かなくてすみます。

役員の選出は、立候補、輪番、理事会の推薦等の組み合わせが望ましい。輪番制としている場合も、立候補の余地を残すのが適切です。

役員候補のうち、理事、監事の別は、明確にして選出するのが正しい。

2)理事会開催の頻度

理事会開催は、毎月が望ましい。月次収支報告、管理費等の滞納状況を確認できます。

3)理事会の招集

理事長が招集します。理事長は各担当理事と連絡、議題を考えておくこと。

理事長の選出は、理事の互選となっていますが、一般的には総会で役員選出議案が可決されたその場で、理事が集まり理事会を開いて、理事長を選出することになりますが、そのためには事前に理事候補が集まり、理事長候補を決めておく必要があります。

4)理事会の成立要件

規約で定めるが、普通、理事の過半数の出席が要件で、代理出席、委任状出席は認められません。規約で同居の親族の代理出席を認める場合は、配偶者等親族の出席は認められます。

5)議長

規約で理事長が議長を務めることが一般的です。議案説明を理事長が担うので、副理事長が議長という管理組合も少なくありません。

理事会では、議題が明確でないと、雑談会になる恐れがあります。「議して決せず」は避ける。結論の確認が重要で、それをいい加減にすると、何を決議したのか不明になる恐れがあります。議題については、事前に資料を配布することが肝心で、議事進行をスムースにできます。

6)議案の採決

議決条件は規約に定めてあるが、理想は全員一致です。意見対立があっても、議長は議論を尽くして全員一致にする努力が求められます。採決する場合は、理事総数の3分の2以上にしたい。理事会の成立要件が半数なので、可決要件を過半数とすると4分の一の賛成で可決となる。

7)議事録の作成、保管等

作成は原則として理事が担当します。やむを得ず管理会社に依頼する場合は、原稿が3,4日以内に担当理事に届くようにします。議事録には、議題ごとに審議経過、裁決結果を明らかにします。議事録は、理事長が保管し、組合員、利害関係人の書面による請求があった場合は、閲覧させます。

8)理事会の傍聴

組合員の傍聴は、原則的には認めることが望ましい。管理組合活動への参加意欲の高揚に役立つうえ、理事会の透明性を示すことになります。

9)理事会への管理会社の参加

実質的な基幹事務を委託しているところでは、理事会に管理会社の社員が参加し、業務の報告や提案をしています。管理会社は、あくまで委託された業務の遂行者にすぎず、管理の主体は管理組合、理事会であることを十分理解して対応すべきです。管理会社の社員を理事会に参加させない理事会も多いということを認識すべきです。

10)専門委員会の設置と運用

長期修繕計画の策定、大規模修繕工事の立案、規約改正など日常の理事会活動では十分検討できないテーマについては、理事会の諮問機関として、専門委員会を設置することが適切です。この委員には、担当理事のほかに、公募、推薦、または専門的知識を有する組合員を集め、理事長は理事会の決議を得て、選任することになります。

専門委員会の検討結果は、理事会に報告され、最終的に決定されますが、そのためには理事長はオブザーバーとして、委員会に参加し、審議内容を知り、理解しておくことが大事です。

監事の役割、見直せ

報告を受けて、参加者で論議しましたが、まず、監事の役割ついて、管理組合のお目付け役として、もっと重視すべきだ、とする意見が出され、その役割について、会計監査と業務監査が求められているが、業務監査については、管理組合活動に相当の経験と見識がないと適切な指摘ができないという意見が出されました、組合によっては、理事長経験者が監事に就く、という決まりを持って運用しているという報告がされました。

一方、管理会社の都合のいいように監事を理事会に置かないケースもあるとして、正常な理事会運営が、管理会社により恣意的に阻害されている面が明らかにされました。

また、監事の臨時総会招集権の実行については、会計の不正による理由がほとんどで、業務の不正による招集権は例がないのでは、という指摘がされました。

総会では、例えば二人の監事がいて、それぞれ別な指摘をする報告が出てくるのは当然で、監事が意見調整して指摘することは本来の役割に反する、という指摘がありました。

傍聴では賛否両論

理事会の組合員の傍聴については、「認めている、発言も可だ」とする組合あれば、「傍聴されていると滞納問題など微妙な件は、論議できないので,その場合は、退出して頂いている」という組合の事例も出されました。傍聴では、賛否半々というところでした。

理事の選出、完全輪番制は否定

理事のなり手不足は、どこも深刻な問題ですが、組合によって輪番制、立候補制の組み合わせ、立候補は認めないなど、単純な問題のように見えて、さまざまなケースが確認されました。組合の歴史、自主管理かどうか、管理会社のコントロ-ルの強弱が左右するようです。柳沢理事は、「完全な輪番制は避けてほしい。理事長は特に要なので、理事の中から探すなど努力すべきだ」と完全輪番制に疑問を投げかけました。

次回の養成講座は、11月22日18時からで、テーマは、管理会社との付き合い方、です。


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