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訪問相談・派遣専門家育成講座の第7回報告

今回は「マンション管理におけるコミュニティ活動」がテーマでした。講師の廣田信子先生より提起がされた後、質疑討論が行われました。

廣田さんの提起は、大きく分けて「マンション管理におけるコミュニティ活動とは何か」というテーマと、先の東日本大震災でのマンション等でのコミュニティ活動がどうであり、その教訓はどのように纏められるか、ということでした。

まず、第一のテーマ。そもそも管理組合の「業務」の一つとして「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」という項目が加わったのが平成16年の標準管理規約改正ですが、その背景や趣旨について改めて確認されました。その趣旨は、端的には小さなマンションで、その地域の「町内会」などに管理組合として参加し、その会費を管理費から支出することに「お墨付き」を与えるというものであったということです。しかし、その背景には団地型マンションのように、その管理組合単位で一つの地域的コミュニティを形成できるところでも、管理組合は建物などの「ハード」の管理を目的にした団体であり、コミュニティ的活動を行うのは「自治会」等でなければならないという「神話」のようなものがあり、当時の自治省や自治体も管理組合は私的財産の維持のための団体であるので、地域組織とは認められないという見解もあって、管理組合と自治会という「住み分け」が強調されてきたという事情もあったといえます。

こうした歴史的事情もあり、この会でも「コミュニティ」活動を巡って、管理組合と自治会との関係という古くて新しい問題が議論されました。一方には、「区分所有法」第三条に規定されている如く、「管理組合とは、そもそも建物などの管理」を目的にした団体であり、コミュニティ活動はそうした目的とどう関係してくるのか、法的に吟味が必要だ」という問題指摘があり、他方では「管理という概念を広く捉え、管理組合の活動として積極的にコミュニティ活動を考えていくべき」との見解も示されました。

この問題は、本来、平成16年に標準管理規約が改正された際に、管理組合活動のあり方の問題として、もっと広く・深く議論されるべきであったといえるでしょう。が、遅まきながら今回、管理組合活動という原点に立ち返ってのコミュニティ活動論が議論されたのは大きな意義があったといえるでしょう。

そのなかで、管理組合のコミュニティ活動ということでは、広報紙活動が重要であるとの意見も出されました。広報紙を定期的に発行すること、「官報」的な紙面から、組合員の動向・趣味・サークル的活動などを紙面に織り込んでいくことで、コミュニケーションも深まり、管理組合のコミュニティ形成も進むのではないかという指摘でした。

後半は、大災害等でのマンション住民の「防災」活動について、東北地方の津波や関東の液状化などの被害を受けた事例を基に、様々な教訓が廣田さんから報告され、今後の管理組合の「防災」活動に参考になる事例が共有されました。


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