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訪問相談・派遣専門家育成講座第8回報告

今回からは、いわば応用力形成編とでも言うべき課目に入りました。まずは、「マンション管理におけるトラブルとその対応」という課目です。報告者の提起が短かったので、それを補足しつつ全員でのディスカッションとなりました。

前半は、マンションのトラブルの現状認識と、トラブル対処の一般的考え方についての議論でした。マンションでのトラブルの具体的項目については、国交省も調査を行い、公表されており、今回の報告者の報告でもその集計が示されましたが、こうしたトラブルの現象を管理組合運営という観点から改めて捉え返すことが大事ということで、これを「誰と、誰とのトラブルか?」という側面から類型化してみました。

その結果、

  1. 組合員(区分所有者)間のトラブル
  2. 組合員と組合間のトラブル
  3. 組合と管理会社・工事会社間のトラブル
  4. 組合役員間のトラブル

の四つに分類しました。そのうえで、(1)については、原則として組合としては介入しない、(4)については日住協の「相談」の対象としないということが確認されました。また、トラブル対処方法を助言する際の基本的基準についても議論され、法・規約・細則・総会決議などを基準として対応するという考え方も共有されました。

後半は、具体的トラブルをケーススタディとしての議論。一つは、原則として組合として介入しないとした「組合間のトラブル」の例としての「生活騒音」問題です。これについては、原則として介入しないとしても組合に持ち込まれてくるケースも多く、各管理組合でも組合運営の「妙」として様々な対応・対処をしている事実が述べられました。結局、組合員間のトラブルは、それを「こじらせない」ということが重要で、それは日常の「コミュニティ活動」によって可能となるということでした。

第二は、(2)のトラブルの例として「水漏れ」問題について議論されました。ここでは、役員は「水漏れの原因が専有部分であるという明確な証拠がなければ、共有部分として推定される」という原則を踏まえて対応することの重要性が指摘されました。(2)のトラブルの例として、このほか「ペット飼育」問題が出され、これが最大の論点となりました。

ここでは、規約で「ペット飼育禁止」となっているのに、組合員の1~2割くらいが飼育しているという現状において、組合としてはどう対応すべきか、ということが議論されました。

報告にあった「規約では禁止としたまま、総会決議で『一代限り』という限定で承認する」という解決策は果たして適切かという議論から始まりました。意見としては、この解決策は中途半端であり、問題だという声が多く出ました。では、どういう対応策が適切か。基本的な解決は「飼育禁止」規約から「飼育容認」規約に改正するしかないという意見も出される一方、運営の「妙」で対応するしかないという意見も出されました。この問題はさらに検討すべきテーマと考えられます。

この他、前回の廣田信子さんの「コミュニティ」論にもありますが、最近は組合員のなかにも法的「知識」を持つひとが増え、何かといえば「訴訟」に訴えるという問題が指摘されていますが、この指摘をどう考えるか、などの議論もされました。


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