7年前から理事長など役員派遣の福管連に聞く

福管連の役員派遣の事例を聞く参加者ら
管理組合支援団体で、管理組合に理事長等役員を派遣する事業化では、福管連が先行していますが、参加者から、制度の運用などに関して質問が飛びました。派遣については、役員のなり手不足、高齢化が理由となるのか、という問いに対して、畑島専務理事は、「様々な理由によりますが、内紛を抱えた理事会に派遣するケースもあり、高齢化が最大の理由ではありません」と強調しました。
管理組合の負担額、訪問頻度についての質問が出たが、理事長で3万円、管理組合に足を運ぶのは、月1回前後としているが、3万円でも高いとする組合もあると組合側の事情も明かしていただきました。
派遣するた専門家は、福管連の理事が主で、一部マンション管理士と契約、福管連顧問の肩書で、派遣しているとしました。また、15名の理事のほとんどは、マンション管理士の資格を持っていて、10年前から理事には管理士試験受験を勧めているとしました。
-福管連は、687組合、4万7千戸加入と聞きましたが、その組合は、管理会社の委託がほとんどですか。
管理会社に委託している組合がほとんどですね。もちろん自主管理もありますが、平均で70戸と小規模な組合が多いですからね。派遣事業では、ワンストップサービスというか、なんでも応えられるようしています。どんなことでもやりますよ、ということで委託がふえているのではないでしょうか。財団法人マンション管理センターのみらいネットの福管連版を目指しています。
―管理会社との関係は
管理会社のやることに何でも反対する組合役員がいますが、管理会社の方が正しいと指摘することもあります。私どもがそのマンションから、引き揚げるというと、管理会社から、辞めないでください、と請われることもありますね。
―内紛のある組合にも派遣されると聞いてびっくりしましたが、その理由は。
私(畑島)の担当した組合のひとつは、内紛の激しいところでした。総会でも取っ組み合い寸前の場面がありましたが、現執行部の理事会に問題がある部分もありますね、一切言わせない封じ込めるやりかたで、これでは反対派はますます意地になる。焼き鳥店で反対派と飲んで、話をじっくり聞く機会をつくりましたが、それでずいぶん変わってきましたね。理事会側に懐の深さがないことで、うまくゆかないケースもある。2年でなんとか、こじれた関係がうまくいって、今でも、年に一度のもちつきに招待されるほどですよ。
―管理組合が自立したら、撤退するそうですが、自立の判断は?
派遣で行っている人の判断ですが、これで大丈夫だと判断できたら、引き上げます。大規模改修工事など期限のある場合には、工事が完了すれば撤退する。辞めても1-2年後に再度要請されることもありますし、スポット的に相談に呼ばれることもありますね。
理事会の仕事も、ひな型をつくって、これでやれば、という指導をしたりするし、書類の整理のやりかたも、ファイルでまとめるやり方を指導します。
―派遣された理事は、徐々に引いてゆくといいますが。
永久にサポートするわけではないので、徐々に引くようにしています。ただし、賃貸率の高いところ、投資型で役員が5.6人で、その役員が毎年継続しているようなところは、ずっと継続するしかないということもあります。また、問題を抱える管理組合には、正副の担当者を決めて、対応しています。
―派遣役員の報酬基準は
理事長で月3万円が基準です。3万円でも高いといわれる組合もあります。私たちは、小さなマンションが多いので、大きな団地の場合は、どうするかを考えないとぃけないかもしれません。
―管理会社とは共存できますか
管理会社と一緒にやってゆくのを基本にしています。管理会社が入っていないところは、原則うけませんね。例えば自主管理組合だと、仕事が多すぎて受託できないこともあるわけです。管理会社が入っていないと、こちらの負担がめちゃくちゃ増える。共存共栄の形でやらないと。管理会社とはケンカはしません。管理会社を育成する役割も我々にはあると思っています。
―顧問でも総会承認は必要ですか
顧問でも何でも、管理組合に他人がはいるので、必ず総会で承認を取ってもらっています。他人が入るということで、反対意見が出て、拒否されたケースもありますね。理事会承認だけで派遣というケースは一件もありません。
―福管連は、理事等の年齢制限はありますか
理事になるのは、65歳未満までが条件です。資格を持っていれば未満にこだわらないが、最近は原則通りにいっていません。
15名の理事に、2名の監事がいるが、実動は7,8人。常勤は4名、事務員2名が基本です。相談にはこの態勢で対応しています。理事会の前に、派遣者で事例を出しながら、勉強会をやっています。
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