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理事長インタビュー エステ・スクエア成瀬 管理組合 田島 邦生 理事長

理事長インタビュー エステ・スクエア成瀬 管理組合
田島 邦生 理事長

 

 

 

 

(聞き手・日住協会長 川上湛永)

マンション管理組合の運営は、問題山積です。少子高齢化の波、駐車場、ペット、相隣関係、管理費等滞納、そして管理会社との対応と。理事長が矢面に立つ。どんな思いで管理運営に取り組んでいるのか、理事長さんに聞く。第1回は、静かな住宅街にある東京・町田市のエステ・スクエアの田島邦生理事長に登場願った。(このシリーズは、毎月1回、掲載します。日住協の機関紙「アメニティ」にも、掲載されます)


昨年は、2月に東電から高圧で契約していた共用部分の17・7%の電気料金値上げを拒否、東電と粘り強く交渉しました。

田島 : そうですね。前期に、値上げ通告謝絶を打ち出し、私になってからも料金の支払いを止める方策なども検討しました。うちはオール電化ですから、値上げ問題は、深刻でした。

不払いの電気料金の供託にも踏み込んだんですか。

エステ・スクエア 町田市成瀬。平成3年1月分譲、築23年目。SRC13階建。総戸数178戸。専有面積は74㎡~202㎡。駐車場、198台。

田島 : いや、八王子法務局に行って相談したのですが、法的根拠がないと言われ、実行できませんでしたね。4月から値上げとされていましたが、うちの場合、契約が7月20日更新でしたので、そこまで値上げはされないままでしたが、そこで白旗を挙げました。かなり抵抗しましたが、1マンションだけではダメですね。ただ、必死になって基本契約の引き下げには成功しました。うちは、2棟からなっていますが、トータルで、61キロから42キロワットになりました。平成3年、バブルの頂点に分譲された、いわゆる億ションのマンションなので、電灯の数もたっぷりある。電灯を間引きしたり、夜間点灯と光感応型にしたり。共用部のライトをLEDに替えるなど、LED化も徹底しました。

理事長として、相当きめ細かい運営、気配りをしている、という印象を受けますが。

田島 : 10年前に理事長を1年やりました。マンションは、入居して10年くらいは、問題はおきませんね。しかし、それ以降は、問題が出てきます。原始規約をどうするかとか。

自立的組合にしなければいけないと思っています。理事の任期も2年任期にし、半数改選としました。これで役員の行動規範が大きく変わった。管理会社にいいなりになるのではなく、自主性を持った組合にしようと考えました。

管理組合の転換期ですね。

田島 : 昨年から今年にかけて、エポックだと思っています。昨年くらいから、ハードウエアは不都合が顕在化してきました。本来やってこなければいけないものを先のばしにしてきた。これをどう乗りきるか。カネを心配しつつ、乗り切らなければいけない。かなり、役員の努力が求められます。この山を乗り越えれば、主体的運営が伝統に変わるかもしれません。

清掃、設備管理など業者との契約の見直しも、きめ細かくやっていますね。

田島 : 日常清掃は、20本もの契約を交わしている。分けて契約すると理事の負担が増えます。業務ごとに分ける、契約を吟味する能力が問われます。ケーブルテレビも、価格交渉したら4割も下がった、びっくりしました。値下げする可能性があるのに、こちらが価格交渉をしなかった。

きっちりやっていますね。管理会社にも厳しく対応していますね。

田島 : 管理会社に、修繕履歴と資産管理台帳を求めたが、ふたつの帳簿ができていなかった。2002年に第1回の大規模修繕を実施しましたが、この履歴を含め、いくら待っても出てこない。20年間、大事な記録や帳簿をつくっていなかった。ペナルティを科しました。委託料を1割カットしました。

理事会側が本気で取り組まないと、管理会社のいいなりになってしまう危険性があります。

田島 : そうですね。面倒だ、煩わしいと思っていると、主体性を失う。全国的な傾向でしょうが、お任せ、業者のいいなりにしてしまうと、マンションの廃墟化が進む。肝に銘じて取り組まないといけない。

昨年の総会で、ペットに関する使用細則を改正しましたが、ペットとの共生という概念を打ち出しました。ユニークですね。

田島 : これまでの細則は、読み違えるような部分があって、不動産仲介業者から、ペット禁止と説明され、ペットを手放してうちのマンションに越してきた方もいらしたようです。『4年程前に細則10章にペット飼育規程が制定されましたが、全体に過剰介入として反発が強く、改正を機に規定タイトルもペット共生としてペット愛好者の心情に配慮しました。』

使用細則第10章 ペット共生

第85条 (目的)ペットとの共生を図る基本的な仕組み、役割、義務を定める。
第86条 (共生の場所)ペットは専有部内で飼育する。
第87条 (ペット共生管理の組織・構成員と管理組合)
ペットと暮らす組合員は、ペット愛好会を自主的に組織し、運営する。
ペットと暮らす組合員は、理由の如何を問わずペット愛好会会員になる義務を負う。
管理組合は基本的にペットとの共生がもたらす利点を容認する。
管理組合は、ペット愛好会をペット管理の唯一の公式組織と認める。
第88条 (一~四 略)
会員は当該使用細則、会則、会の定める飼育マナー規定を順守する。
会及び会員は、非会員のペット忌避の理由や迷惑を尊重し、原因の排除あるいは規範の改定により、その解消に努めなければならない。
ペットに起因する苦情、事故の責任は一義的に起因ペットと暮らす会員にあり、この会員が誠意をもって解決する義務を負う。しかし、当事者間で解決できない場合は、会が仲介・斡旋の任にあたることができる。

セキュリティにも、対応とお金をかけていますね。

田島 : ガードマンによる夜間巡回を14、15年前から続けています。車の盗難、とくにRV車の盗難が頻繁にありました。マンションの玄関はオートロックなんですが、構内は誰でも入れる。監視カメラを増設しましたが、やはり人的巡回がいいと住民の声が強くて。夜間巡回には、年間120万円もかかります。敷地内の車の盗難牽制、外周部における軽犯罪、痴漢牽制にことしは力を入れる予定です。1階共用部と住戸部のガラス窓など、破壊侵入防止の対策は急ぎたいテーマです。

設備はバブル期の分譲だけあって、グレードが高いですね。

田島 : 確かにそうですが、過剰設備にもなっています。敷地が広いのはいいのですが、樹木、植栽豊かで良い反面で管理が大変ですよ。宅配便などをおさめる集配ボックスは、特注品だったり(交換済み)、地下には巨大な粉末消火器が設置されています。数年後に設備関係を含む大規模修繕を控えていますので、費用の節約をはかるほか、資金の確保を計画的に進めています。


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