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ガーデンシティ狭山管理組合(G-city)」のエレベーターリニューアル工事見学会

2013年3月16日、会場であるガーデンシティ狭山管理組合コミュニティ・ホールにおいて
午後1時よりエレベーターリニューアル工事見学研究セミナーが開始されました。

第1部は「住みやすさと居住環境を目指して」?G-citySAYAMA管理の基本スタンス? と題して同管理組合理事長の山神正彰氏が、「ガーデンシティ狭山は、世代に受け継がれていくマンションを目指します」ということと『施設の長寿命化』と『居住性の快適性』確保が管理組合のスタンスである旨の説明を行いました。

エレベーターリニューアル工事見学会の模様

また、それらを支えるためのハード面の取り組みでは『居住者の快適性』とし、「利便性の向上」「愛着ある住まい」(良好な居住環境:安全、安心、美観)を、ソフト面の取組みとして『長寿命化と快適性を持続させる管理』とし、「管理会社に任せきりにしない」とし、さらに『イベントによる求心性確保(コミュニケーション)』のために夏祭り当の実施、また、『愛着ある住まいへの仕掛け』として正月門松飾り(自治会と共同)、クリスマスイルミネーション(同)、季節の花植えの実施。それらの考え方の基にエレベーターリニューアル工事が反映されていることが明らかにされました。

第2部は「エレベーターリニューアル工事着手までの歩み」と題して、工事委員会委員長の海老沢肇氏が「リニューアルの意義」としてマンションの居住価値の向上を挙げ、「安心・安全」「法改正対応」「バリアフリー」「耐震」「防犯」「省エネ」「利便・快適」などについて説明。

ガーデンシティ狭山管理組合の概要

ガーデンシティ狭山管理組合は498戸2棟、築30年の規模の大きな団地で、当管理組合の特長は「環境改善委員会」の存在です。さまざまな課題について理事会から諮問を受け、環境改善委員会で研究・検討した結果を上程します。これだけを見ると一般にある委員会とかわらないようですが、この委員会は常設であること、諮問は幅広く、管理組合の諸問題を受けるのです。

今回のエレベーターリニューアル工事に関しても、当初は環境改善委員会が諮問を受けたのですが、知れば知るほどエレベーターの特殊性の深さに気づき、一段の注意深い検討が必要であるということから、別途「エレベーター工事委員会」を発足させました。

安全性、快適性のために管理組合の取り組むべきこと

エレベーターは、マンションの上下階を結ぶ重要な「通路」です。その運転は安全第一でなければなりませんし、そのためには適時・適切な点検が欠かせません。もちろんそれは、保守業者に任せているわけですが、エレベーター事故率は少ないとは言え、死亡事故につながることもありますから、その安全性には管理組合として一層の関心を寄せなければなりません。

機械室内

エレベーターの保守については、建築基準法第12条により実施が定められています。また、検査者についても、一級建築士若しくは二級建築士又は昇降機検査資格者と定められていますから、管理組合は有資格者が保守点検を行っているのかを確認することが必要です。

検査の項目や方法及び判定基準については、平成20年国土交通省告示第283号により定められていますから、それに準拠して保守点検を実施しているかを一度確認をすることをお勧めします。

また、検査者が前回の検査結果を確認できるように、検査結果の保管が必要となっています。

国交省が行ったエレベーターメーカーとその系列保守管理会社及び主要な独立系保守管理会社に対する保守管理業務の実態に関するアンケートの結果によると、「安全に製品の保守管理を行うための所有者等に対する説明は、どのように行っていますか」という問いに対し、「行っていない」とするメーカー系が2社あります。このようなアンケートも企業のスタンスを知るにはよい資料ですから、長期に亙る快適性能は、保守会社の適切な保守点検によって維持されるわけですから、メーカー及び保守管理を依頼する上で、ぜひ目を通しておきたいものです。

高度で広範な専門知識を持った専門技術者による、定期的かつ適切な保守点検を行うことによって、性能の維持及び運行の安全を確保することができます。保守点検は、さまざまな情報を集めた上で信頼のできる保守会社を選ぶことが大切です。

多くのエレベーターは、既存不適格

法律が改正されるとそれ以前に施工されたエレベーターは、その法に適合しなくなります。違法ではないのですが既存不適格となり、その法律が求める性能に達することなく運行を続けることになります。
平成21年9月28日以降に設置されたエレベーターに義務化されたのが、次の2点です。

■戸開走行保護装置

1つは「戸開走行保護装置」で、扉が開いたまま走行することの防止装置であり、駆動装置の故障対応としてブレーキの二重化、制御器の故障対応として戸開走行を検出し、エレベーターを制止する独立した安全回路を追加するようにしました。

これは、平成18年6月に発生した東京都港区の「シティハイツ竹芝」の12階で発生した、男子高校生がエレベーター出入口の天井部分とエレベーターの床部分の間に挟まれ、40分後に救急隊員によって救出され近くの病院に運ばれたものの頭蓋骨骨折などしていて死亡した事故を受けたものです。

■地震時管制運転装置

もう1つは「地震時管制運転装置」です。エレベーターのシステムが初期微動(P波)及び本震(S波)を検知し、エレベーターを最寄り階に停止させ、停電発生した場合でもエレベーター内に閉じこめられないよう予備電源を設け、最寄り階に着床させるようにしました。

これは、平成17年7月に千葉県北西部7月23日16時35分、千葉県北西部を震源とした地震が発生した。震源の深さは73km、地震の規模はマグニチュード6.0だった。週末を襲った地震は、川沿いの地域で地盤が軟らかい東京都足立区伊興で震度5強を観測消防署が出動し、救助に平均50分かかり、最長170分を要した。また、地震時管制運転装置が始動したエレベーターの復旧が翌日までかかったという例もあった。

G-cityでも、前述のとおりこの点を解消すべき検討し、戸開走行保護装置及び地震時管制運転装置は当然のことながらリュニューアル工事の第一の課題としました。

すばらしい発注形態

G-cityは本工事の実施にあたり、コンサルタント会社を導入せず、管理組合とエレベーターメーカーとの直接交渉で行いました。これを行うには、管理組合側に相当の知識等が必要であり、前述したような取組みをしっかり行うことによってそれをクリアしました。これはG-cityの環境改善委員会などの日頃の取組みがあったからこそのものです。

G-cityの自信を感じた参加者

セミナー参加者からの質疑ではG-cityの特長を認識し、環境改善委員会への質問も多くありました。質疑時間が不足したのは残念でしたが、管理組合からの自信溢れる回答が印象的でした。

その後セミナー参加者は、リニューアルしたばかりのエレベーターに乗り、エレベーター質などを見学、また、地震時管制を体験するなど、めったにできない貴重な体験もしました。

2013年3月26日

 

 


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