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理事長インタビュー 高津団地五街区管理組合法人 理事長 望月 利男(67)

高津団地五街区管理組合法人
理事長 望月 利男(67)

 

 

 

(聞き手・日住協会長 川上湛永)

理事長を10年務めておられますね。

望月 : 役員は2年任期ですから、5期連続してということになります。その前に、副理事長などを10余年務めていますので、理事は通算24年になります。団地ができて41年になりますが、こんなにやっているのか、と思いますね。

昨年、3回目の大規模修繕工事を終えたばかりで、団地内は整然としている印象を受けました。

望月 : 外壁補修、屋上防水、鉄部塗装等で、約6億円かかりました。3年前から準備を始め、仕様書づくり、施工業者選びと、いつもですが大変でした。外壁補修は、前回の大規模修繕工事の後、経年変化で塗装が剥離している部分があったので、今回はきちんと補修しました。

想定外の劣化などもありましたか。

望月 : ベランダの鉄製手すりの支柱の埋め込み部分の劣化が、想像以上に進んでいました。住棟によって異なるのですが、全体の5%程度でした。建物も生き物ですから、想定外は出ますが、今回は、想定内に収まっていました。

次の大規模修繕工事の予定は。

望月 : 平成39年、15年後ですね。

大規模修繕工事は、10-12年おきにといわれていますが、最近は周期が延びる傾向にあります。五街区はおおむね15年おきですね。

望月 : 都市機構(UR)の賃貸住宅は、18年周期ですね。高津団地には、UR住宅がありまして、それが18年ですからね。

理事長が入居されたときは、公団分譲は、どこも抽選で高倍率でした。

4,5年先に建て替えの研究会を立ち上げたい、と語る望月理事長= 高津団地五街区集会所で

望月 : 多摩ニュータウンなどにも申し込んだのですが、抽選に外れました。高津団地は、最寄りの駅から遠いこともあって、倍率は2倍くらいでしたか。漸く入居できました。私は、結婚しようとしていましたので、住居探しは必死でした。当時は27歳頃でしたが、入居してみると30歳代の方が割と多かったですね。当時は、高度成長のころで、住宅問題を解決するのが大変な時代でした。その頃の私は企業戦士というか、日本全体がそうでしたが、家庭を顧みず、日本国中をかけずり回っていました。

20年前から、理事会活動に係わるようになりましたが、どうかかわろうかとしましたか。

望月 : えていなかったことが見えてきたり、足らない部分に協力できることは何かを考えました。私は建築士で構造の分野でしたので、専門分野からの見地で関わろうとしました。

理事会と自治会が一体化していますが、いつからですか。

望月 : 高津団地五街区自治会が設立されたのは、平成4年です。それまでは、高津団地全体(一街区から七街区)で統一された自治会がありました。当時五街区の自治会加入者数は10余名でしたので、五街区にメリットがある活動ができなかったようですね。

補修を終えたばかりの団地に緑が映える

高津団地五街区自治会については管理規約にも明確に定めています。理事長が同時に自治会長です。理事会と自治会の考え方が違う場合、調整するのにひと苦労ですよね。

また、居住者を支援するボランティアグループも理事会のもとに活動しています。もちろん会長は理事長が務めます。

それと子ども会活動に対しても協力を行っています。五街区子ども会の運動会が、学校の運動会とは別にあります。管理組合から助成金を出しています。子ども会の組織は強固です。子どもの教育に熱心な方がいたからですね。

その他には、五街区とお隣の六街区(440戸、旧公団分譲)と社会福祉協議会の支会が主催して、65歳以上の方を対象に、シニア男性食事会を年4回開いています。五街区の集会所で開くのですが、毎回24,5人が参加します。千円の会費でお弁当、ビール等がでて、いつもにぎやかに盛り上がります。高津団地には、賃貸住宅が約2千戸あります。春には五街区主催、夏にはUR住宅でお祭りなどを開きますが、その時は、お互い、理事さんたちが往き来して、交流しています。高津団地全体で、密なコミュニティが昔から形成されています。

完全自主管理組合ですが、これは続けていきますか。

望月 : 理事会は、自分たちの住宅、街区をまとめ、いい状態でハード面、ソフト面でも管理して行こうという思いを強くしています。これからも続けて行きます。一部、JS(日本総合住生活)に団地内の中高木の剪定を頼んでいますが、それは一業者として頼んでいるので、管理委託ではありません。植栽剪定を、4人の女性に依頼していますが、危険な中高木作業はやらせられませんからね。事務局長も39歳と若く、がんばっていますし、世代交代をしっかりやっていけば、大丈夫だと思っています。自分たちの住宅は、自分たちで守る、この伝統は守って行きます。

次世代へ向けての課題は。

望月 : 高齢化が進んでいるので息子さんたちが戻ってくればと期待しています。次世代のスマートマンションを目指したいと考えても、それができる部屋の数、広さ、設備がありません。それが問題ですね。2戸、3戸所有の方もおられますし、48㎡という広さでは、限界があるかなと。以前、部屋数を増やす、増築の動きもありましたが、検討した結果、見送りました。

理事が6人と団地の規模としては少ないようですが。

望月 : 確かに6人は少ないようです。うちは、推薦・立候補制を入居以来守っています。輪番制は採用していません。今、女性理事はひとりいますが、一級建築士です。以前、五街区広報で、建築理事を求めると訴えたら、応募してきました。女性理事は半分くらいいてもいいのでは、と思っています。

役員のなり手不足はどこのマンションでも一番の悩みです。

望月 : そうですね。一番のキーポイントは、若い理事の確保です。以前、若い理事は2人いたのですが一戸建てを建て、転居してしまいました。いま、理事候補として複数人に声をかけています。期待しています。若い理事には、仕事が優先だから、忙しい時は、理事会は休んでいいよ、と言っています。でも、2,3人休むと理事会が成立しなくなりますけどね。

将来像をどう描いていますか。

望月 : その前に、今の集会所の建て替えが必要だ、と考えています。集会所は昔のままで、和室などは物置になっています。近いうちに、建替えないといけないでしょうね。一方、団地全体のことですが、4,5年先には、建て替えの研究会を立ち上げて、建て替えについて、URやデベロッパーなどと話をして、実現できるかどうかを見極めたいと思っています。

高津団地五街区管理組合法人
・千葉県八千代市大和田新田、日本住宅公団分譲。
・昭和47年4月入居。中層5階建て、27棟、680戸。
・全戸がPC(プレキャストコンクリート)造。


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