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第1回訪問相談・派遣専門家スタッフ会議、具体例で討議

訪問相談・派遣専門家スタッフ会議が、1月17日午後6時から、日住協本部4階で開かれました。昨年10月から12月にかけ10回開いた訪問相談・派遣専門家育成講座の参加者から17名が出席しました。スタッフ会議は、専門家として派遣を希望する参加者を中心に、日住協に寄せられた管理組合からの相談事例について対応方法などを参加者で討議する実践的な内容としています。会議は月1回、第三火曜日に開く予定です。

以下は、第1回のスタッフ会議の報告です。

□  大石理事から、今までの育成講座から、今後は「スタッフ会議」という形で実例の研究や実際の派遣参加のなかでの問題点の報告、討論などをやっていきたい。基本は「スタッフ」として登録してもらった人が中心になるが、その他の参加希望者があれば「準スタッフ」とでもいう形で参加してもらってよいと考えている、とする報告があった。

□  外部参加者13名から、1~10回の講座の感想を一言ずつ述べてもらった。全体として今回の講座は評価されており、視野が広がった、知らなかった実態が分ったなどという発言が多かった。民間分譲の人は公団等の関係のことを新たに知り、公団等の居住者は民間分譲の実情や管理会社の実態がよく分ったという具合に。

講義、討論もおおむね好評だった。しかし、【1】司会者がしゃべりすぎで討論になっていなかったのでは、【2】ゼミ方式にしては人数が多すぎる、講師が何人もいるのだから、数人ずつに分けてやったら、全員発言できた、【3】特定の人の発言が多すぎ、発言できなかった、【4】管理会社の課目を管理会社の人が担当したのはおかしい、【5】公団系と民間分譲系と分けた方がよい(これには反論もあった)などの注文も出された。

日住協本部側から柳沢理事が、事前には参加者が少ないのではないかと心配していたが、多数の参加があり、かつ最後までほとんどの人が参加したことに感謝する。しかし、まだ出発点で、これから派遣先の管理組合に入ればいろいろ問題も出てくるので、協力して取り組んでいきたいと発言した。

□  スタッフ登録者の確認ということで、登録できる人を挙手してもらったところ、9名が名乗りをあげてくれた。大石理事から、登録しなかった人についても、今後条件ができれば登録していただきたいと要請した。

□  会議では、さっそく実例研究ということで、過去にNPO日住協本部へ管理組合から質問のあったテーマ3件について、討論を行った。討議の概要は次のとおり。

(1)【理事は総会で議案に反対できるか】

「反対できるのは当然」という結論はすぐ出たが、「法的にはそうだが、道義的にはおかしい。理事を辞任して反対すべきだ」との意見が出て、活発な討論があり、「辞任する必要なまったくない」ところに落ち着いた。さらに、これが「理事長ならどうか」の提起があり、「反対できる」「理事長委任状も反対の意思表示に使える」かどうかで賛否両論があり、前者(理事長の区分所有者個人としての1票)は問題ないが、後者は大論議になった。議案に賛成の趣旨で委任しているという実態からみれば「議案賛成として扱うのは当然」「反対するのは詐欺みたいなもの」という意見が強くだされたが、「理事長委任という文書になっている以上、理事長の意思で賛否とも自由に行使できる」という異論も強くあり、明確な結論とはならなかった。

(2)【総会での議決権の行使方法】

(この質問は、質問者が議決権行使書制度の存在をよく知らないという形になっている)したがって回答そのものは、総会に対する区分所有者の意思表示は、総会への実際の出席、委任状、議決権行使書の三つがあることをきちんと説明すればよい。しかし、そこから「自分のところの管理会社は、議決権行使書を嫌い、使えるようになっていない」「委任状のフォームだけつけて、議決権行使書のフォームをつけないのは違法か」などの議論に発展して、いろいろの発言があった。

(3)【1.トランクルームの「専用使用権」と「利用料金」】【2.駐輪場の使用料】【3.管理費余剰金の修繕積立金への繰り入れ】

1.は設定されている事実関係の不明の点(「某会社=デベロッパー?の所有物」の性格=区分所有部分?が分らない)があるので明確な回答ができない。しかし、いずれにしろ「一部共用部分」ではない。討論では、「永久使用権」を買い取っているのに、その人たちだけさらに通路の照明などの使用料を求めるのは、全員で管理すべき共用部分の負担を一部の人に負わせるのでおかしい。しかし、質問のいう「使用料」の根拠が正しいのかどうかもわからない以上、なんともいえない。

2.は単純で、住人の利用料だから収益事業ではなく、課税の対象にはならず、まったく問題ない。法人かどうかはこの問題では全く関係ない。

3.管理費の剰余金は、繰り越してもよいし、修繕積立金に繰り入れてもよい。いずれにせよ総会の決議をおこなうわけだから、問題ない。一般に多額の剰余金の発生した場合は修繕積立金に繰り入れをおこなうのが通例だと思われる。関連して、民間分譲では、駐車料金収入を管理費に繰り入れている管理組合が相当数あるのが実情だが、これは適切ではない、という点の発言もあった。

(なお、管理費と修繕積立金の納入基準〔㎡あたりとか、一律とかという基準のこと〕によっては、繰り入れは不可だという意見も出されたが、両者は区分経理されているだけで、いずれも管理組合の財産という点では同一なので、総会の過半数での承認さえあれば、繰り入れに違法性はない。適切かどうかという内部の利害対立はありうるが=記録者の注)。


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