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集合住宅も損傷 つくば市北条地区の竜巻被害

5月6日、大型連休の最終日の正午過ぎ、茨城県から栃木県にかけて発生した竜巻は死者一名、家屋損壊2千棟と被害が広域に広がったが、茨城県つくば市北条地区では、5階建ての集合住宅のガラスが割れ、ベランダが壊れるなど被害が出た。丈夫なはずの集合住宅も風雨や一定程度の地震には強いといわれてきたが、今回の竜巻に、マンション住民らから驚きと同時に、防止策を検討すべき、という声があがっている。竜巻被害の2日後の8日、現地を見た。(アメニティ編集部・瀬尾孝志記者)

被害を受けたつくば市北条地区の雇用促進住宅北条宿舎は、昭和59年10月に運営開始、5階建2棟70戸の賃貸集合住宅。

雇用促進住宅の南西方面から進んできた竜巻は、建物から100m程離れた国道125号線沿いにある戸建住宅を破壊(この住宅で地元の中学生1人が犠牲に)した後、国道を縦断し、1号棟を直撃した。

雇用促進住宅では、強風や風で巻き上げられた石や木材の衝撃で、ほとんどの住戸の窓ガラスが割れていた。ベランダの手すりが破壊された住戸もあった。上階ほど被害が大きいように見えた。また、ベランダの破壊は免れたものの、強風で巻き上げられた木材や石がベランダを突き抜け、窓ガラスを割って住戸内に突入し、壁に突き刺さる住戸も。住戸内は強風と飛び込んできた石や木材でメチャメチャになり、足の踏み場もないほど。すべて一瞬のできごとだった。

一方、1号棟の裏にある2号棟は、竜巻が近くを通ったにも関わらず、住戸の窓ガラスが割れる被害が見られるものの、1号棟にくらべ、軽微な被害で済んだ。

居住者への被害もでた。割れた窓ガラスや屋内に飛び込んできた石などで多くのが住民が怪我をしたが、幸い軽傷だった。

近所の住民(50代女性)によれば、当日は昼食を済ませた頃に突然辺りが暗くなり、強烈な雨が降り出した後、大きな雹が鳴り出した。その後、黒い煙の固まりのようなものが見え、「何だろう?」と思っているうちに、聞いたことの無い轟音とともに竜巻が来襲した。この間ほんの数秒。なすすべも無く、部屋の奥に身を隠し、竜巻が過ぎ去るのを待つのがやっとだったと言う。幸い女性にケガはなかった。

また、他の住民(70代女性)は、当日は現場から少し離れた家にいたが、強烈な風でいろいろなものが飛んでいるのを目撃。石や木材の他に、重い畳が何枚も飛んでいたという。

 

集合住宅の被害に、マンションに住む住民は、頑丈なはずのコンクリート住宅まで損傷するとは、と驚きを隠せない。今回のつくば市を襲った竜巻について気象庁は、突風の強さを示す国際的尺度「藤田スケール」で、上から4番目のF2(風速50-69メートル)に当たると発表している。国内では、2006年に北海道佐呂間町で発生した竜巻と愛知県(1999年)、千葉県(1990年)での竜巻がF3(風速70-92メートル)とされ、過去最強だが、今回はこれに次ぐ。

「風に巻き上げられた石等が窓から飛び込んだようだが、竜巻でマンションも風向きや位置によっては、甚大な被害が出ることがはっきりした」と神奈川県内の管理組合理事は指摘する。3・11以来、防災対策を強化したが、局地的な竜巻被害には、どう対処すればいいか、と不安な表情を隠せない。

団地の場合、号棟間などに多くの樹木が植えられているが、今回の竜巻では、樹木も多くなぎ倒された。「樹木が建物を守ると想定していたが、場合によっては、建物に倒れかかるなど風よけ効果は、期待できないかもしれない」とある団地住民は、不安を漏らす。


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