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東京電力の電気料金の仕組みについて ~ マンション住民の自衛策として

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日住協では、今回の東電の電気料金値上げを、マンション住民にとって生活に直接響く、重大なことと捉えています。福島第一原発事故により、福島県内の避難地域に指定された地区だけでなく、なお、数万人が各地に避難しています。そんな中で、東電は4月から高圧受変電施設を持つマンション管理組合に平均17%の値上げを通知しました。日住協など首都圏の4マンション管理組合団体が4月に、東電に値上げ撤回を申し入れましたが、さらに東電は、5月に家庭用の電気料を10・28%値上げする申請を経産省に出しました。8月にも認可されれば、マンション住民には、さらに打撃となります。

一方、電気料金の仕組みは、複雑すぎて、住民の理解を阻んでいます。知れば若干でも、電気料負担を軽減できる仕組みもあります。マンション管理組合は自衛策として、取り組む必要があるのでは、と思います。今回、できるだけ分かりやすい解説を試みました。さらに、調べるつもりですが、参考にして頂ければと思います。

(2013/10/10追記):最新の「電気料金」に関する情報はこちらからご確認ください。

(NPO日住協)

1. 毎月の電気料金の基本構成

電気料金=(ア)基本料金+(イ)電力量料金+(ウ)燃料費調整額+(エ)太陽光促進付加金

(ア)基本料金=単価×契約電力
契約種別により多少異なるが、この計算式が原則。

(イ)電力量料金=電力量単価×使用電力量
従量電灯BCの契約種別は、使用量が増えるほど単価が高くなる3段階の料金体系。

(ウ)燃料費調整額=調整単価×使用電力量
原油などの燃料価格に左右され、単価は、毎月、自動的に上げ下げされている。

(エ)太陽光促進付加金=単価×使用電力量
太陽光発電などの省エネ設備を設置する人に補助金を出し、それを全消費者が負担することによって、太陽光発電を促進することが目的。(経産省)

(ア)基本料金(イ)電力量料金で、毎月の電気料金総額の99%程度を占めている。
電気料金の仕組みは、間違いなく複雑であり、難解に感じる。それ故、今まで、管理組合の主体的な取り組みは遅れ、独占的な電力会社や管理会社、業者の言いなりになってきた側面がある。

業者、専門家に、(ウ)燃料費調整額や、(エ)太陽光促進付加金の話も一緒にされると、素人が聞いても、訳が分からなくなる。些細な事柄や、イレギュラ-な話は後回しにして、まずは、金額のウェイトが圧倒的に大きく、どの契約種別にも共通である、(ア)「基本料金」(イ)「電力量料金」に絞って理解し、検討を進めていくのが早道である。

その際、(イ)電力量料金の電力量単価(1KWhあたり)、次に(ア)基本料金の契約電力単価(1KWあるいは10Aあたり)という二つの単価が、極めて重要な数字となる。

2. マンション共用部・専有部の主な契約種別と料金計算方法

以下、マンション共用部・専有部の主な契約種別について、概要と料金計算方法の事例を説明する。

(1)高圧受電「業務用契約」 (自家用受変電設備のあるマンション)

値上げに政府の認可を要しない「自由化部門」と言われている、業務用の大口契約。高層棟など、主に大規模なマンションでの採用が多い。共用部分の契約電力が50kw以上の場合は、原則として、自家用受変電設備が必要とされる。
6000Vの高圧で受電し、借室電気室(東電の管理下にあり、カギも東電が保管)に入り、そこから自家用受変電設備(自前で設置した管理組合の所有物=自家用電気工作物、法定の検査が毎年必要)に送られ、そこで、200V・100Vに変圧されて、棟の共用部分と、各住戸専有部に送られる。
東電との契約種別は、この変形として、業務用季節別時間帯電力、さらに業務用季節別時間帯別2型などがあり、これらは 季節により、あるいは、昼夜により、電力量単価が異なるもので、マンションでは有利になる契約型。

自家用受変電設備を持つことは、電気料金の上では単価が安くなるが、設備の維持費、法定検査費用がかかり、将来の更新費用(数百万円~)も高価である。
つまり、大口契約で電気代の単価が安く優遇されている、という言い方もある一方で、高圧受電の管理組合は、設備の設置場所の確保と維持管理のコストを自前で負担し続けているわけである。

〈1か月の料金計算方法と事例〉

基本料金=単価×契約電力×(185-力率)/100
電力量料金=単価×使用電力量
料金=基本料金 + 電力量料金 + 太陽光発電促進付加金

【季節別時間帯別2型の事例】
契約電力=187KW、電力使用量=昼41,376Kwh+夜32,570kwh=73,946Kwh、力率99%の場合、
該当する単価(契約電力単価、「ピーク時間」、「夏季昼間時間」、「その他季昼間時間」または「夜間時間」の燃料費調整額0.20円を含めた料金単価)は約款に記載されており、

  • 基本料金=単価× 契約電力 × (185 – 力率) / 100=1953円×187KW×(185-99)/100=314,081円
  • 電力量料金=12.76円×41,376Wh+9.40円×32,570KWh=834,115円
  • 太陽光促進付加金=0.03円×73,946KWh=2,218円

合計すると、請求金額は1,150,414円となる。(すべて、小数点以下端数処理。上記の計算方法は、東電のカスタマ-センタ-に確認済み。)

尚、上記は、「業務用季節別時間帯別契約2型」の場合の計算である。2型ではない普通の「業務用季節別時間帯別契約」や単なる「業務用契約」の場合の単価は、東電のホームページより、
法人のお客様⇒資料 約款関係⇒電気需給約款(高圧)のデ-タ詳細一覧⇒で、約款の文章中に記載されているので、参照のこと。(ただし、値上げ後の数字しか、記載されていない。)

ここで、契約電力(=187KW)、とは「過去1年間の中での最大需要電力」で、月毎に変わる。30分ごとに計量した月間の最大値で、一度に多くの設備を使うと大きくなる。この瞬間的な最大需要電力の数字に、その月以降の1年間は縛られてしまう仕組みである。

力率については、東電のホームページに、以下の説明がある。

「力率」とは・・・電気をモーターなどの機器に使った場合、エネルギーの損失が生じ、実際に働いた電力(有効電力)は電圧と電流の積(皮相電力)より小さくなります。この比率のことを力率といいます。力率 (%) = 実際に働いた電力 (有効電力)/(電圧 × 電流 (皮相電力) )× 100

「力率割引・割増」とは・・・力率が悪くなると供給設備をより大きくする必要が生じます。そこで力率の改善をおすすめする意味で低圧電力の場合、力率85%を基準としてそれより力率の良いものは90%、悪いものは80%に設定し、それぞれ基本料金を5%割引、割増します。

(2)「低圧電力」+「従量電灯C(自家用受変電設備を持たないマンション)

家庭用の料金と共に、どちらの契約の料金も値上げには政府(経産省)の認可を要するので「規制部門」と言われている。中規模、小規模のマンションの大半がこの契約種別である。
複数棟からなる大規模な団地では、高層棟は、「業務用契約」の高圧受電、中層棟は、「低圧電力」+「従量電灯C」であるなど、棟により契約種別が異なり、それが団地内で混在しているケ-スがある。

6000Vの高圧電力の配電線から、棟の借室電気室(東電の管理下)に入り、そこで東電の責任で、200V・100Vに変圧されて、直接、棟の共用部分と、各住戸(専有部)に送られている。
各住戸(専有部)の契約電力と、共用部の契約電力の総計が、50kw以上になる場合は、借室変電設備が必要とされ、管理組合は無償で東電に借室を提供し、設備の維持・管理費用は東電が負担する。
管理組合は自家用変電設備は持たないので、その維持・更新費用は要らない。そのかわり、電気代の計算方法は高い。

ここで、エレベ-タ-やポンプなどの動力(200V)の部分が「低圧電力」契約、廊下や階段の電灯(100V)の部分が「従量電灯C」契約になっており、それぞれメーターは別になっている。従量電灯Cの契約の電気料金の計算の仕組みは、専有部(一般家庭)と同じである。
従って、マンション(棟)の共用部分の契約電力の仕様は、**マンション共用部分:電灯15KVA、動力28KWというような形になっている。(KVA とKWは、同じ単位。)
電灯部分の契約容量の数字15 KVA は、電灯の数・回路の数で決まり、動力部分の契約電力28KWの数字は、通常、エレベ-タ、ポンプ等の設備容量の総合計から決められる『負荷設備契約』である。(上の例ではエレベ-タ11kw×2台+ポンプ6kw×1台=28kwなど)

該当するマンション(棟)の契約は上記の「低圧電力」と「従量電灯C」の2つの契約となり、電気料金の請求のお知らせも毎月2種類送られてくる。
他に、大元の電子ブレーカーにより動力部分の契約容量を決める『主開閉器契約』という方法がある。

〈1カ月の料金計算方法と事例〉

「低圧電力」(動力部分の契約)(契約電力および力率は、「電気ご使用量のお知らせ」(検針票) に記載してある。)
基本料金=単価×契約電力×(185-力率)/100
電力量料金=「夏季」または「その他季」の料金単価(税込)×使用電力量 ± 燃料費調整額
料金=基本料金 + 電力量料金 + 太陽光発電促進付加金

【事例】:契約容量29KW、使用量3911Kwh(エレベ-タ-3機、揚水ポンプ1機)、その他季節、力率90% の場合。
基本料金は、29,506円(=単価1071円×29KW×(185-90)/100))、電力量料金は47,557円(=単価12.16円×3911Kwh)燃料費調整額=0.21×3911KW=821.31円、太陽光促進付加金=0.03×3911=117円、口座振替割引-52.5円で計77,949円。

「従量電灯C」(電灯部分の契約)
基本料金 1Kvaあたり273円 (1Kvaは10Aに相当)
電力量料金 最初の120kWhまで(第1段階料金) 1kWhにつき17.87円
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金)1kWhにつき22.86円
上記超過(第3段階料金) 1kWhにつき24.13円

【事例】:契約容量25kVA ご使用量3904KWhの場合。
契約基本料金は、6,825円(=単価273円×25KVA)、電力量料金は、
120KWhまでの1段料金2,144.40円(=単価17.87円×120KWh)、
300KWhまでの2段料金4,114.80円(=単価22.86円×(300-120)KWh)、
300kwh以上での3段料金86,964.52円(=単価24.13円×(3904-300)KWh)、
燃料調整費0.21×3904KW=819.84円、太陽光促進付加金0.03×3904=117円、口座振替割引-52.5円で、計100,933円。

(3)「従量電灯C」という契約だけのマンション

4F建て以下でエレベ-タ-がなく、揚水ポンプの設備容量も小さいようなマンションでは、「従量電灯C」だけの契約の場合も多くある。200Vの三相三線式の電力が必要な動力がなければ、「低圧電力」の契約はないことになる。

(4)「低圧高負荷」

動力の「低圧電力」と電灯の「従量電灯C」という二つの契約を一本化した「低圧高負荷契約」という契約種別がある。二つの契約電力の数字の合計が、30kw~50kw の範囲の場合に希望すれば、いつでもこの契約を選択でき、安くなるケ-スもある。近々、適用範囲が15kw~50kwに拡大される予定。
〈1か月の料金計算方法〉
基本料金は一律1260円 電力量料金単価は、夏季で15.05円 その他季節で13.84円
料金=基本料金+電力量料金+燃料費調整+太陽光調整付加金

従量電灯Cと比較すれば、基本料金が高く、使用量に比例する電力料金の単価が安いことが分る。

(5)専有部は「従量電灯B (一般家庭と全く同じ)

〈1か月の料金計算方法と事例〉

基本料金は、契約10Aあたり273円。電力量料金は、従量電灯Cの場合と同じ三段階式の単価。
電力量料金 最初の120kWhまで(第1段階料金) 1kWhにつき17.87円
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) ?1kWhにつき22.86円
上記超過(第3段階料金) 1kWhにつき24.13円

【事例】:契約が60A ご使用量が692kwの場合。

基本料金は単価273円×60A/10=1638円。電力量料金は
120KWhまでの1段料金2,144.40円(=単価17.87円×120KWh)、
300KWhまでの2段料金4,114.80円(=単価22.86円×(300-120)KWh)、
300kwh以上での3段料金9,458.96円(=単価24.13円×(692-300)KWh)、
燃料調整費207.60円、太陽光促進付加金20円、口座振替割引-52.5円で、計8029円。

尚、使用量が300kwhに満たない場合は、上記の3段式の料金計算の3段目が記載されないことになる。

ここで、従量電灯Cも従量電灯Bも、同じ仕組みの3段式の計算方法のため、上記2つの従量制の契約の事例において、どちらも1段目の料金は2,144円、2段目の料金は4,114円になっていて、3段目だけが使用量によって違っていることに注目していただきたい。
つまり、一般家庭は、贅沢をしなければ、3段目のもっとも単価が高い部分の料金を減らすこともできるのだが、マンション共用部分で消費する電気の料金の計算に、使えば使うほど割高になる一般家庭と同じ仕組みを適用していること自体が、疑問に感じられる。

3. 東京電力からの「電気ご使用量のお知らせ」について

東電から、毎月送られてくる各お知らせには、必ずお客様番号が書かれており、下から3桁目(百の位)の数字が業務用契約(高圧受電)の場合は8、低圧電力の場合は3、従量電灯Cや従量電灯Bの場合は1となっているので、そこで契約型(=契約種別)を見分けることができる。

東電の所轄の支社(=カスタマ-センタ-)に問い合わせをするときは、お客様番号、建物所在地住所、契約名義、電話番号、を言えば、丁寧に対応してくれる。

4. 東電の今回の値上げ幅について

(1)高圧受電・業務用契約(年間契約の更新後から新料金適用)

(ア)の基本料金は、1kwhあたり1638円(季時別2型は1953円)で据え置きだが、(イ)の電力量料金の単価を全て+2.61円の値上げの要請を通知してきており、年間の合計では約17%の値上げになる。
2月頃、対象マンションに対し、一方的な4月からの値上げ通知が行われたが、日住協と関連4団体が東電に抗議・撤回の申し入れを行うなど、世間の批判を浴びた。東電は、契約期間内は値上げを撤回するという措置を取った。

契約期限終了後においても値上げを拒否するという姿勢で東電と交渉中の管理組合もある。
東電は、現在、政府(経産省)に申請中の一般家庭用(規制部門)の認可の値上げ幅の内容により、今後、+2.61円の数字は、減る可能性があり、その場合は遡って清算する、と説明している。

(2)低圧電力(値上げ申請中)

基本料金は1kwあたり1071円で据え置き。電力量料金の単価は、その他季節で12.16円から15.55円へ27.9、夏季で13.20円から17.10円へ29.5の値上げ幅である。

(3)従量電灯C(値上げ申請中)

基本料金は、1kVAあたり、273円で据え置き。電力量料金の単価は、

  • 一段階目(最初の120kWhまで)は17.87円から19.16円へ7.2%
  • 二段階目(120kWhをこえ300kWhまで)は22.86円から25.71円へ12.5%
  • 三段階目(300kWhを超えた部分)は24.13円から29.57円へ22.5%の値上げ幅である。

(4)低圧電力と従量電灯Cを一本化した低圧高負荷契約(値上げ申請中)

基本料金は1Kwあたり1260円で据え置き。電力量料金の単価は、
その他季節で13.84円から16.77円へ21.2
夏季で、15.05円から18.45円へ22.6の値上げ幅である。

(1)については、東京電力が4月から始めた企業向け電気料金の値上げをめぐり、公正取引委員会は22日、「一方的に値上げを進めようとした」と判断し、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)につながるおそれがあったとして文書で注意した。(6/22朝日新聞)

(2)~(4)については、経済産業省の有識者会議や公聴会では、消費者から人件費や燃料費などの圧縮を求める声が高まっているうえ、今後は、東電の利益などになる「事業報酬」も争点になる可能性がある。審査も長期化しており、東電が目指した7月の値上げ実施は8月以降に先送りが決まった。(6/12毎日新聞)

5. 電気料金の削減方法の考え方

  1. 使用電力量を減らすこと。(節電の工夫、LEDへの交換など) 以外に
  2. )東電との契約形態の変更により「契約電力」または「電力量」の二種類の単価をより安くすること
  3. )その他の工夫により「契約電力」を下げ、契約基本料金を下げること
  4. )東電以外の代替案(PPSや一括受電)の検討などによって、電気料金の削減を検討できる。

ここで、LEDへの電球の交換は、白熱電球をLEDにすれば消費電力が20%ぐらいになるが、蛍光灯をLEDに交換する場合の消費電力削減効果は、ケースにより異なるので、初期投資費用と合わせ、良く検討した方が良い。

【マンションの主な契約種別電気料金単価の新旧比較と削減方法例】(東京電力の場合)

区分 契約種別 値上げ前(円) 値上げ後(円) 値上げ額(円) 値上げ率







(1)高圧受電(業務用季時別2型) 基本
料金単価
1kwにつき 1953.00 1953.00 0.00 0.0%
電力量
料金単価
ピ-ク時
1Kwhにつき
14.49 17.10 2.61 18.0%
夏季昼 13.92 16.53 2.61 18.8%
その他季 12.76 15.37 2.61 20.5%
夜間時 9.40 12.01 2.61 27.8%
(2)低圧電力 基本
料金単価
1kwにつき 1071.00 1071.00 0.00 0.0%
電力量
料金単価
夏季
1kwhにつき
13.20 17.10 3.90 29.5%
その他季 12.16 15.55 3.39 27.9%
(3)従量電灯C 基本
料金単価
1KVAにつき 273.00 273.00 0.00 0.0%
電力量
料金単価
第1段階(~120kwh) 17.87 19.16 1.29 7.2%
第2段階(120~300) 22.86 25.71 2.85 12.5%
第3段階(300kwh~) 24.13 29.57 5.44 22.5%
(4)低圧高負荷低圧電力と従量電灯Cを一本化した契約 基本
料金単価
1kwにつき 1260.00 1260.00 0.00 0.0%
電力量
料金単価
夏季
1kwhにつき
15.05 18.45 3.40 22.6%
その他季 13.84 16.77 2.93 21.2%







(5)従量電灯B 基本
料金単価
10Aにつき 273.00 273.00 0.00 0.0%
電力量
料金単価
第1段階(~120kwh) 17.87 19.16 1.29 7.2%
第2段階(120~300) 22.86 25.71 2.85 12.5%
第3段階(300kwh~) 24.13 29.57 5.44 22.5%

【備考】

マンション共用部 : (1) 高圧受電(業務用季時別2型)- 契約50KW以上の中・大規模マンション
マンション共用部 : (2) 低圧電力 - 動力(EV、ポンプなど)
マンション共用部 : (3) 従量電灯C - 電灯(一般顧客扱い)
マンション共用部 : (4) 低圧高負荷 - 低圧電力+従量電灯Cが30kw~50kwならば可能。値上げ認可後は15kw~50kwに範囲を拡大予定。
マンション専有部 : (5) 従量電灯B – 電灯(一般顧客扱い)

【節電以外の料金削減方法例】

マンション共用部 : (1) 高圧受電(業務用季時別2型)
(その1)(1)業務用契約、(2)業務用季節別時間帯別、(3)業務用季節別時間帯別2型の3種類のうち、有利な契約に変更する。変更には、経費はかからないので、東電に問い合わせてみると良い。
(その2)「一括受電」
受変電設備があるので可能。全員の承諾が必要で、ハードルは高い。

マンション共用部 : (2) 低圧電力 (3) 従量電灯C
(その1)「低圧高負荷契約」に一本化する。追加費用負担はない。契約電力が小さく、電灯の使用電気量が多いマンションでは、低圧高負荷契約にすると、現行(値上げ前)でも安くなるケ-ス、また値上げ認可後でも、値上げ幅が5%程度緩和されるケ-スがある。⇒東電のカスタマ-センタ-に聞けば、詳しく試算してくれる。
(その2)電子ブレ-カーを設置し、『主開閉器契約』へ変更して、「低圧電力」の契約電力を数十%程度下げ、基本料金を安くする。ただし、設備の追加費用が発生するので、費用対効果の検討が必要。

マンション共用部 : (4) 低圧高負荷
(その1)東電によれば、『低圧高負荷契約』と、電子ブレーカーによる『主開閉器契約』との併用は可能とのこと。

マンション専有部 : (5) 従量電灯B
(その1)東電のメニュ-の夜間8、夜間10の契約型などへの変更は、夜に電気使用量が多い住戸は削減可能性あり。無料で、いつでも変更可。家族の生活スタイルや休日の場合など要検討。
(その2)契約のアンペア数を下げる。10A下げると、毎月273円安くなる。家電製品のアンペア数より計算すれば、多くの家庭でアンペア数のダウンは可能と推測される。無料で、いつでも変更可。

<契約種別と今回の値上げについて>

※高圧受電(①)の料金値上げは政府の認可は不要だが、②~⑤の値上げは認可が必要で、現在申請中である。
※今回、どの契約においても基本料金は値上げせず、据え置きである。
※上表の高圧受電では業務用季時別2型の単価を記載。他の型も基本料金は据え置き、電力量料金単価はすべて+2.61円である。詳しい数字は契約約款に記載がある。
※(上表での高圧受電の電力量単価には、燃料費調整単価0.20円が含まれている。)
※低圧電力(動力)+従量電灯C(電灯)の2本立ての契約となっているマンションが大半である。(低圧高負荷契約の事例は少ないが、検討の価値あり。)
※EVがなく動力が小さなマンションは従量電灯Cだけの契約の場合もある。

<電気料金削減と東電への相談方法について>

※電気料金の基本的構成=(ア)基本料金+(イ)電力量料金+(ウ)燃料費調整額+(エ)太陽光促進付加金 であり、通常(ア)基本料金+(イ)電力量料金で電気代の99%程度を占める。基本料金=単価×契約電力。電力量料金=単価×使用電力量。それぞれに上表にあるような単価があり、この二つの単価の数字が重要である。
※電気代削減には、節電で使用電力量を減らすこと以外に、契約電力を小さくして基本料金を下げる工夫も重要であり、上表の例を参考にしていただきたい。
※東電から毎月送付される「電気ご使用量のお知らせ」には、必ず、お客様番号が書かれており、下から3桁目の数字が業務用契約(高圧受電)の場合は8、低圧電力の場合は3、従量電灯Cや従量電灯Bの場合は1、となっているので、そこで契約種別を見分けることができる。

東電の所轄のカスタマ-センタ-に問い合わせをするときは、お客様番号、建物所在地住所、契約名義、電話番号、を言えば、丁寧に対応してくれる。

6. 高圧受電のマンションの電気料金削減の方策の検討(節電以外の方法)

(その1)(1)業務用契約、(2)業務用季節別時間帯別、(3)業務用季節別時間帯別2型の3種類のうち、有利な契約に変更する。

⇒(1)よりは、(2)または(3)が有利なケ-スが多い。(2)と(3)では、基本料金の単価は(2)の方が安いが、電力量料金の単価は(3)の方が安い。夜間に消費する電力が多いマンションでは(3)が有利なケ-スもある。
変更には、経費はかからないので、東電に問い合わせてみると良い。

(その2)東京電力から提供されているサマ-アシストプラン

⇒夏の節電を昨年並みあるいはそれ以上に継続することを前提とした料金メニューを用意しているが、マンション共用部では、効果の程は疑問と思われる。

(その3)「一括受電」

⇒すでに受変電設備があるので可能。全員の承諾が必要なので、ハードルは高い。
現状は分離している共用部と専有部を、高圧受電にして一括受電するもので、棟の住民の全員の承諾があれば、有効。受変電設備が必要。高圧受電の利点(=電気量単価が安い)を専有部にまで享受できるので、共用部、専有部、ともに(かなり)電気料金が下がる。電力一括購入のサービス会社との契約になる。

公的な手続き、各戸の検針や請求業務など、全ての業務をこの会社が行う。

  • マンション管理組合では、減額した分を、全て共用部の電気料金に還元する方法をとるケースがほとんどであり、この方が住民の全員の承諾が得やすい。共用部で40%下がる事例もあり。(C社)
  • 560戸の民間分譲マンションその他、全員の承諾が得られて、導入した事例あり。最近は、問い合わせが多い。(C社)
  • 諸経費がかかるので、50戸以下のマンションでは、会社の方で、儲からないのでやらない。100戸以上になると、会社が積極的になるが、全員の承諾が難しくなる。(E社)

尚、管理組合が事業主体となって、東電と管理組合との一括の契約として、管理組合が各住戸(専有部)と個別の契約を結んで、そのサポ-ト(メタ-の検針、請求等々のすべての業務)をサービス会社が行うというタイプがある。初期投資が必要だが、削減効果はさらに大きくなる。

どちらのタイプも、電力の供給先は東電、または他のPPS(電力供給会社)に変えることも可能。

7. 「低圧電力+従量電灯C」のマンションの電気料金削減の方策の検討(節電以外の方法)

(その1)契約電力を下げる。電子ブレ-カーを設置し、「低圧電力」の契約電力を数十%程度下げ、基本料金を安くする。上述の『主開閉器契約』への変更である。

⇒事例では、年間10~20万円ぐらい安くなるかも知れないが、電子ブレ-カーの設置に30~50万円ぐらいかかるので、投資資金を回収するのに、何年か、かかるとのこと。業者が、今、盛んに管理組合に勧誘している方法。

(その2)動力は「低圧電力」、電灯は「従量電灯C」という契約を「低圧高負荷契約」に一本化する。

二つの契約電力の数字の合計が、30kw~50kw の範囲の場合に、希望すれば、いつでも、この契約を選択できる。変更に、設備や手数料等の追加費用負担はない。

⇒東電によると、契約電力が小さく、電灯の使用電気量が多いマンションでは、低圧高負荷契約にすると、現行でも安くなるケ-ス、また値上げ認可後でも、値上げ幅が5%程度緩和されるケ-スがある。
⇒東電のカスタマ-センタ-に聞けば、1年間の電気代について、

  1. 現行での料金、
  2. 値上げ認可後の料金、
  3. 現行で低圧高負荷契約に変えた場合の料金
  4. 値上げ後に低圧高負荷契約に変えた場合

の料金の4つの数字を試算して、知らせてくれる。
さらに、値上げ認可後には、選択可能な契約電力の範囲が、現行の30kw~50kwから、15kw~50kwに拡大されるので、検討してみると良い。

ここで、この場合にも、電子ブレ-カーを設置すれば、上記の契約基本料金が下がるので、(その1)よりも大きな削減の可能性がある。東電によれば、電子ブレーカーによる『主開閉器契約』と『低圧高負荷契約』との併用は可能とのこと。

(その3)「従量電灯C」の契約部分を、東京電力の契約メニュ-の中の電力量単価が安い「夜間8」、「夜間10」の型に変更する。

⇒夜間8、夜間10のメニュ-は、通常は日中に使う電気(温水器など)を夜間に使う工夫(負荷移動)をする場合のもので、マンション共用部の階段などの電灯には使えない。管理人室が棟の共用部に付属していて、メータ-が同じであれば、共用部の電灯にも夜間メニュ-を適用させる方策とその実績があるとのこと。

(その4)自家用受変電設備を設置し、高圧受電の業務用契約にして、電力量単価を安くする。

⇒動力と電灯の契約電力が合計で50kw以上の場合は、自家用受変電設備を設置すれば可能だが、場所と費用、その後の維持管理費がかかる。

(その5)団地で、他の棟と組んで、自家用受変電設備を共用する形で、高圧受電の業務用契約に変える方法。

⇒東電に聞くと、原理的には不可能ではない、との返事なので、検討の余地があると思われる。可能であれば、初期投資はかかっても、電気料金削減効果は大きい。

⇒(その4)(その5)は、6. で述べた『一括受電』と組み合わせて検討できる。

8. 各住戸・専有部の電気料金削減の方策の検討

(その1)東電のメニュ-の夜間8、夜間10、あるいはピークシフトプラン等への契約型への変更は、夜に電気使用量が多い住戸は削減可能性あり。

家族の生活スタイルによるが、無理に夜型にするのは、いかがなものか。土、日、休日の電気使用時間に注意。返って割高になるケ-スもありうる。無料で、いつでも変更可。

(その2)契約のアンペア数を下げる。

10A下げると、毎月273円安くなる。家電製品のアンペア数の目安を利用して計算すれば、多くの家庭でアンペア数のダウンは可能と推測される。無料で、いつでも変更可。

9. その他の電力供給手段や代替の方策

(1)PPS(特定規模電気事業社)

現在、東京電力に代って、マンション管理組合に電気を売る(=売電)ことはできない。(以前は、可能であったが、震災・原発事故以後は、できなくなった。)以前からの顧客には売電しているが、新規の売電はできない。今後の見通しも立っていない。(F社)
PPSは、マンションは利益が少ないから、やらないのが実情のよう。(E社)

(2)太陽光発電

一般論の概算で、1KW出力に100万円程度と言われている。ということは、10KW出力で、太陽パネル等設備一式設置に1000万円。平時、非常時に 拘わらず、日中の発電だけ。エレベーターやポンプなどの動力までは不可。共用部の電力を補ったり、売電も可能。
さらに蓄電池(数百万円~)を設置すれば、夜間にも使える。原理的には、動力にも使える。ところが、現状、売電はできない。
投資したお金を、回収するのには、10年以上はかかるだろう。(設備の保守、維持もあるので、コスト的に、難しい。)電力料金削減としてよりは、非常時の電力供給手段としての資産と考えるもの。
最近は、震災非常用、節電対策として、問い合わせは非常に多い。シャ-プ、京セラ、パナソニック(旧三洋電気)で70%のシェア、他に三菱電機。マンションは、新築はやりやすいが、既築のリニューアルでの設置はコストがかかる。屋上、建物構造の強度の問題もある。また、屋上に限らず、敷地の一部にパネルを設置する方法もある。(D社、F社)

(3)一括受電

6.と7.において、説明しました。

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(情報の入手先など)
A東京電力  B経産省  C中央電力(一括受電関係) Dパナソニック(太陽光発電関係)
E電力料金契約のコンサル会社  F節電のコンサル・PPS業者  Gその他

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