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大規模修繕支援:ヒルハイツ文京・春日管理組合

大規模修繕工事:ヒルハイツ文京・春日管理組合

工事概要

都心で交通便はよく丸の内線後楽園、大江戸線春日から徒歩7分、地下2階(駐車場)地上11階建て、70戸、築11年、中廊下型の単棟型マンションであるが、立て込んだ都心部のため、外部からは全貌が見えない。建物は非常に複雑であった。

平成22年

9月
大規模支援制度採用を前提で相談開始。
10月
日住協に入会。

平成23年

1月
設計事務所3社と面談(理事長・修繕委員長他、日住協1名)。
2月
内定。
4月
支援制度担当日住協及び内定設計事務所紹介の住民説明会を開催。
9月
大規模修繕支援制度業務委託契約を提携。
11月
設計事務所(八生設計事務所)と委託契約。

平成24年

1月
調査及びアンケート開始。アンケート回収率100%。アンケートが管理組合の希望より今回の工事関係ないオプション工事や日頃気が付いている事も記載のため269件ありその整理に苦労した。今回の工事に関するもの、工事可能であるが検討を要するもの、工事困難(構造上不能、法的不能、施工困難、多大なコストがかかり現実的でないもの)に別けて理由を記載して、理事長名で回答する。
4月~5月
主な工事内容を決めて、平成24年度総会(5月27日)に提案し承認。公募により19社の参加があり、書類にて10社に見積依頼。
10月6日
理事会でヒアリング業者4社に絞る。
10月22日
4社のヒアリングを行い㈱リューアルウイングスに決定。

平成25年

2月1日
工事開始
ヒルハイツ文京・春日管理組合の写真:外壁改修前

ヒルハイツ文京・春日管理組合の写真:外壁改修前

建物の仕上げは外壁は総タイル張りで、屋根及びルーフテラスはアスファルト防水保護コンクリート押え、バルコニー床が防滑塩ビシート・ウレタン塗膜併用防水で仕上げられている。

現場事務所及び作業員詰所は、周辺に空地がなく、隣りの古いビル3階を借りた。

途中で雨が続き予定が遅れたので、完成前の1カ月は予定を変更して土曜日にも作業を行った。

若い居住者が多く、修繕委員も女性が半分をしめ業務にも熱心で、居住者も工事に協力的であった。

6月末竣工検査を行い、7月6日に引き渡しを行った。

引き続き、設備を含めた「長期修繕計画」の作成を検討中である。

ヒルハイツ文京・春日大規模修繕工事の特徴

設計・監理者:㈲八生設計事務所
山田俊二

ヒルハイツ文京・春日は、東京都文京区春日二丁目の小石川後楽園からも伝通院からも数百メートルの距離に位置し、初期高級マンションの代表である川口アパートメントに隣接している都市型マンションである。

地上11階・地下2階建で平面は4辺とも雁行し、立面は4方ともセットバックをしており、立て込んだ都心部のため、外部からは全貌が目視できない。総住戸数が70戸で同じ間取りの住戸は無く、平面的にも立面的にも複雑な内廊下式の建物である。
今回の工事は、築12年目の第1回目の大規模修繕である。修繕設計の際、建物の竣工図に建具表が無く、部分詳細図も乏しく、外観も全貌が目視できず、正確に数量算出する事が困難なシーリングの長さや樋の長さ等は実数精算方式にする事とした。

建物の仕上げは外壁は総タイル張りで、屋根及びルーフテラスはアスファルト防水保護コンクリート押え、バルコニー床が防滑塩ビシート・ウレタン塗膜併用防水で仕上げられている。
工事に際し、都市型マンション特有の敷地に余裕スペースが無く、工事事務所は折良く空いていた隣接ビルの3階を借りた。

ヒルハイツ文京・春日管理組合の写真:B2階エントランス改修後

ヒルハイツ文京・春日管理組合の写真:B2階エントランス改修後

修繕内容は、屋上防水はアスファルト防水保護コンクリート押えである事から、まだ全面改修の時期では無いため、保護コンクリートの高圧水洗のみとした。
壁タイルは、浮きタイルや割れタイルの補修をし、タイル目地は吸水防止の為、浸透性吸水防止材を塗布した。タイル下地には部分的にTSサンドモルタル(発泡スチロール粒をまぜた軽量モルタル)が塗られていたため、タイル浮きの打検音が聞き分けが難しく、また浮き部に接着材を注入しても効果が見られず、打検音からTSサンドモルタル下地と思われる箇所はモルタル毎剥がしタイル張替補修を行った。又、浸透吸水防止材の塗布後の拭き取り方に関するメーカーの指導が不明確で、塗布面乾燥後に白華現象が各所で発生した。何度か拭き取り・洗浄を繰り返し白華物を除去する事となった。

バルコニー床は既設防滑塩ビシートの端末シールの打替と劣化や剥離した塩ビシートの部分張り替えを行ない、排水溝及び壁取合部のウレタン防水は同材で再防水を行った。
外壁目地やサッシ周囲のシーリング(ポリサルファイドシーリング)は、シーリングメーカーの不良品で、軟化しほとんど弾性復元力が無い状態だった。このため、撤去に手間がかかると予想し、軟化部撤去費を実数精算方式で見込んでいたが、若干撤去困難ではあったが、施工会社の協力も有り通常撤去費で施工する事が出来た。

内装の修繕は、汚れや傷みの多い部位のみの塗装の塗り替え・カーペットの張り替え・壁紙の張替を行った。
改善工事として、地下2階(南面は地上階)のエントランスが駐車場の奥に有り、駐車場と同じ内装仕上でエントランスとして貧相であったため、壁に花崗岩を張り、床にタイルを張りエントランスらしく改装した。また、屋内階段には手摺を新設した。
築年数から、比較的若い居住者が多いマンションで、また初めての大規模修繕工事であったが、担当理事・修繕委員の皆さんが熱心で、居住者も非常に工事に協力的だったため、建物の複雑さには苦労したが、気持ちよく現場監督員も職人も工事が出来た現場であった。
又、この大規模修繕計画はNPO日本住宅管理組合協議会の大規模修繕支援事業の元で進められた。当方が設計コンサルタントとして参入する前から、この支援事業により、設計事務所はどのような事をやり、施工業者の選定はどのように行ない、工事が始まったら管理組合や居住者はどのような事をしなければならないか等を事前に説明をされており、初めての大規模修繕であったが、理事・委員の皆さんは、あまり迷うことなく計画が進められ、この支援事業にはツアーガイド的な効用があったと思える。

大規模修繕工事を終えて

ヒルハイツ文京春日 大規模修繕委員
谷川 昌

NPO日住協様に大規模修繕支援業務を委託し、この度、大規模修繕工事をスケジュール、コスト共予定通り、無事終えることができました。

当初、修繕委員会にて当マンションの大規模修繕の目的を「修繕」だけでなく資産価値の向上のための「改良」も重視することを決めてスタートしました。NPO日住協様より組合業務の多さ、内容が専門的であること、管理組合・住民コンセンサスの難しさ等のポイント・進め方をアドバイス頂き、修繕委員、組合理事納得の上、設計事務所・支援スタッフ選定しスタートしたのが、結果としてスムーズな進行と満足度の高い修繕工事に繋がったと思います。

以下に修繕委員よりの感想を紹介します。

  • 非営利という姿勢が明確に出ており特定の業者との関係が感じられず信頼感があった。
  • 設計者・施工業者選定時の適切なアドバイスと参考になる資料をいただけた。
  • 過去の他のマンションに関する事例を適宜教えていただいたことがよかった。
  • 組合向け資料作成の参考になる資料の提供とアドバイスいただけた。

上記以外にも管理組合と修繕委員会の役割分担には気をつけたほうが良いとか、施工者選定では現場監督の人間性を重視したほうが良い等のマニュアルには載っていないが、後になって振り返ると非常に大事なアドバイスも多く頂きました。

第1回目ということもありますが、大規模修繕工事完了までには修繕委員会・管理組合での多くの業務と想定外の難題がありましたが、管理組合の立場になってフォローいただき、管理組合の負担軽減に繋がり、資産価値を高める修繕工事という目標も達成することができました。ありがとうございました。

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